「ベビーマッサージ教室lumipepe」主宰・土井恵子さんインタビュー

流産がきっかけで注目した親子の絆
―― 何をきっかけに、現在の活動を始めようと思ったんでしょうか。
小学生の子供が二人いるのですが、二回の出産の間に一度流産を経験していまして。
下の子供を妊娠するまでの1年間は、とても落ち込みました。
実は、四人姉妹の末っ子だった自分の家庭環境が複雑で、両親はおらず、姉が育ててくれたんです。
そのような事情もあって、流産をきっかけに自分自身の過去を振り返り、母子の繋がりや絆について深く考えるようになりまして。
その後、二人目を出産した産院でベビーマッサージを初めて体験した時に、「これは絶対に良いものだから、自分で伝えて行きたい」と直感したんですよね。
我が子と触れ合う事で、母親を知らずに育った自分自身が癒されたのだと思います。
―― ベビーマッサージとの出会いは出産直後という事ですが、子育てが落ち着いてから資格を取ったんですか?
もともと思い立ったらすぐに行動したい性分なので、すぐに実行しました。
まずは、ベビーマッサージをしてくれた先生に教えて欲しいとその場で懇願したところ、資格を発行する事が出来ないという理由で断られたんです。
諦めきれず、退院後すぐにベビーマッサージの資格が取れる場所を探し始めました。
そして、現在所属している協会を見つけ、赤ちゃん連れで通って5ヶ月後には資格を取得。
その後、下の子供が一歳で保育園に入れる事になり、ベビーマッサージ教室を開講して現在に至ります。
―― 凄い行動力ですね。
ベビーマッサージには、どのような効能があるんでしょうか。
ママの温かい手でマッサージしてあげると、赤ちゃんはお腹の中にいた頃のような安心感を覚えるんです。
さらには、五感を刺激する事による脳の発達促進、風邪を引きにくくなるなど免疫力アップ、便秘予防、夜泣きも軽減、と様々な効果が。
そして何よりも、赤ちゃんのフワフワとした肌に触れることで、ママ自身がとても癒されて幸福感で満たされ、親子の絆が深まります。
ベビーマッサージは、生まれたての時期だからこそ出来る言葉を超えたコミュニケーション。
「生まれて来てくれてありがとう」という感謝を込めて、ママから赤ちゃんに一生続いていく愛情の気持ちを伝えられる最高のツールなんです。
―― 起業してから現在に至るまでに起きた、最大の試練は何かありましたか?
ベビーマッサージ教室はたくさんあるので、まずは知ってもらわないとお客様には来て頂けません。
認知してもらうためにブログやSNSをマメに更新し続けなければならず、その作業は大変ではありますが、今後も続いて行く課題だと思っています。
それに、「何かママ達が楽しめる事は無いか」と常に考え、毎日のようにお客様とメールのやり取りをして、スケジュール管理も一人でこなさなければならないので休みはありません。
しかし、作業を機械的にしてしまうと、一人一人に愛が伝わらないので嫌なんですよね。
自分にとって、たくさんのママ達との出会い一つ一つが大切であり、こちらの方がエネルギーをもらっているんです。
大変であっても、これからも出来る限り丁寧なやり取りを続けて行きます。
―― ご家族は応援してくれていますか?
そうですね。
忙しいあまり、携帯でのやり取りを辞められず夫に注意される事もありますが、基本的には応援してくれていると思います。
自宅教室の良い点は、母親が楽しんで仕事をしている背中を子供に見せる事ができるところ。
子供達には、将来自分と同じように好きな仕事を選んで欲しいです。
ママ達が楽しめる場所であり続けたい。
―― 最後に、今後の夢を教えてください。
「ママ達が楽しめる場所を作る」という信念は、起業してから現在に至るまで揺るぎません。
これからもその信念を持って、活動を続けて行きます。
そして、今は限られた地域だけですが、今後もっとたくさんのママ達にlumipepeの事を知ってもらえたら嬉しいですね。
また将来的な目標として、乳幼児期、そして先々子育てを卒業してからも、ママ達が集って話せる「おしゃべりカフェ」ができたら素敵だなと思っています。
―― 土井恵子さんにとって夢とは。
取材・文/Ayako Sugimoto
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