『とどけ!加古川ネット』事務局長・井上やすこさんインタビュー

地域の子ども達とごみ拾いを行う「とどけ!加古川ネット」の事務局長を務めながら、赤ちゃん先生やコミュニティスペースの運営など幅広く活動しているシャイ二スタNo.047の井上やすこさん。 現在の活動の原点や、今後の目標について話を伺いました。
シャイニスタ
井上 やすこ
井上 やすこ (いのうえ やすこ)
コミュニティスペースHikare' 担当おゃべり広報
シャイニスタNo047 井上やすこ

なぜ、あなたは輝きはじめたのですか?

小学校の給食の調理員として働いていくうちに、自分の子ども以外の子ども達もとても大事でいとおしく感じるようになりました。
そして、ちょうど自分の子どもが中学校に上がる頃に給食について考えた時、加古川市の中学校で給食を実施しているのは一校しかないことを知りました。
そこから子ども達の置かれた状況に疑問を持つようになったんです。

給食のことを地域のお母さん達と話しているうちに、ここで話をして終わりとしないためにも、署名を集めて提出しようと活動することにしました。
これが今の活動の出発点だったと思います。

井上やすこ

未来ある子ども達の社会を明るくしたい!井上やすこさんの地域を活性化させる様々な活動

井上やすこ 取材01
── 現在の活動について教えてください。

現在主に行っているのは、「とどけ!加古川ネット」という団体でのごみ拾いの活動です。
この活動以外にも赤ちゃん先生や、コミュニティスペースのスタッフも行っています。

── 「とどけ!加古川ネット」でのごみ拾いは、どのように行っているのでしょうか。

加古川市内の子ども達と一緒に、義務化をしないごみ拾いをしています。
ごみ拾いをしたらご褒美がもらえることもあるかもしれませんが、ご褒美がもらえるからするのではなく、自分達の街は自分達の手で綺麗にしていくことが大事だという考えを前提としています。
ですので、まずは大人達がそうしている姿を見せるところから始めているんです。

もし、子どもがトングを持ちたくないなら持たなくていいし、自分で拾いたくなるまでついて来るだけでもいい。
だんだんとごみ探しが宝探しのようになって楽しくなったり、子ども同士でお友達もできたりしますから。
井上やすこ 活動内容01
参加してもらうと「なんでタバコの吸殻がたくさんあるの?」とか、「ポイ捨てのごみが消化しきれず残っているんだな」とか、子どもなりにたくさん考えるようになるんですね。
まずは子ども達が社会問題を無視しない大人になるきっかけにしてもらえればと思って、活動を行っています。

── 「とどけ!加古川ネット」以外で行っている活動は、どのようなことでしょうか。

私には子どもが3人いるのですが、一番下の子を産んだ時に「赤ちゃん先生」になりました。
赤ちゃん先生とは、赤ちゃんを連れて小・中学校に出向いて授業を行う活動。
直接赤ちゃんと触れ合い、赤ちゃんとお母さんの関係性を見てもらうことで、子ども達に命の大切さを理解してもらうんです。

そして子ども達は、自分もこうやって大事に育てられ、そしてそばにいる友達も同じように育てられたと知ることができます。
命のことだけではなく自分の友達について考えるきっかけにもなるので、全てをなくすことはできなくても、少しずついじめを解消していける活動じゃないかなと思っています。

あとは、仕事として株式会社ワンピースの「Hikare’(ヒカレ)」というコミュニティスペースの運営にも携わっています。
この場所は、「地域資源と人と人がつながり輝き助け合えるコミュニティおこし」をコンセプトとしていて、いろんな方にマルシェやセミナーなどで活用してもらっているんですよ。

中学校での給食を求める署名集めが活動の原点

井上やすこ 取材02
── 現在の活動を始める前は何をされていたのでしょうか。

大学を卒業してからは実家のお好み焼き屋さんを手伝っていて、その後は小学校の給食調理員になり、調理士の資格を取得しました。
現在、一番上の子どもは中学生ですが、その子が3歳の頃からずっと働いています。

── それでは、現在の活動を始めたきっかけは何ですか。

きっかけは、加古川市内の中学校での給食実施を求める署名活動をしたことですね。
小学校の給食調理員をしているとき、自分の作った給食を食べた子ども達に「おいしい」「ごちそうさま」と言ってもらえることがすごく嬉しかったんです。
仕事として調理員になったのですが、働いていくうちに自分の子ども以外の子ども達に対しても、とても大事でいとしく感じるようになっていきました。

それで、ちょうど自分の子どもが中学校に上がる頃に給食について考えると、加古川市の中学校で給食を実施しているのは一校しかない状況で、すごく疑問を持つようになったんです。
私の母の世代から中学校の給食が欲しいといわれていたのに、30年経ってもできていないというのは、どういうことなんだろうと。

そのことを地域のお母さん達と話していて、この場での話だけで終わらせないためにも、署名を集めて提出しようと動き始めました。
これが今の活動の原点で、現在のごみ拾いもこの署名活動を行っていたグループから始めたんです。

── 活動を経て、お子さんが通っている中学校でも給食は始まったのですか。

2018年から徐々に中学校での給食が始まっていますが、私の家族が住んでいる地域は実施まで4年かかる予定なんです。
ただ、この地域の人には署名の数も多く出してもらっているので、少しでも早めに実施してほしいと、市長にもお話しさせていただきました。これからは、行政にも訴えていきたいと考えています。

考え方を変えてくれた同級生との再会

井上やすこ 取材03
── 活動を始めて最初にぶつかった壁はどのようなものでしたか。

団体を作って活動を始めると、給食を実施するという目的に向けての行動が必要となってきます。
そして、さらにその行動へのやる気を継続していく必要もあるんですね。
そういった団体の中でのチームワークや、意識の作り方はいろいろと試行錯誤しながらでした。

── 給食を求める署名集めは、ママ友の間で広げていったのですか。

そうではなくて、一軒一軒ポスティングして回収しに行く形と、街頭でもらう形がほとんどです。
ママ友に留まらず、幅広く色々な方から署名をもらいました。

ただずっと外を回って一軒ごとに活動内容や目的を説明していると、そのことがしんどくなってしまう人も出てきます。
自分がつらいと思ってまでやることではないので、そういう人には休憩してもらったり、違うことをしてもらったりしました。

多くの方が給食に賛成でしたが、中には反対の方もおられましたので、その方たちの声を聞き、日々勉強させていただきました。

── では活動の中で、転機となった人との出会いや出来事はありましたか。

中学校給食の署名活動が終わってちょっと一段落した頃に、「NPO法人シミンズシーズ」という団体を知りました。
この団体は、異なるボランティア団体同士が知り合う機会を提供しているんです。
こちらのイベントを通して他の団体がやっていることを知ったり、自分たちの活動を知ってもらったり、そこからいろんな事が広がりました。
井上やすこ 活動内容02
そしてボランティア団体が集まるイベントで、中学校の頃の同級生と再会し、「グリーンバード」というごみ拾い団体と出会ったことが、ごみ拾いを始めるきっかけになりました。
彼女は、義務だからやるのではなく楽しいからやるという人なんですね。

活動の目的はあるけど、それをやるには自分が楽しくないと、という考え方だったんです。
彼女と再会して一緒に活動するようになってからは、こうしないといけないという感覚でしていたところが変わってきて、以前よりもずっと楽しくできるようになりました。

数々の課題を乗り越えたことで得たもの

井上やすこ 取材04
── それでは、活動を始めてから現在に至るまでの中で、最大の試練と言えるものはありましたか。

私の活動の元になっているのは、人だと思っています。
だから試練というと、人との別れですね。
活動の中で去っていく人もいて、応援する気持ちに切り替えるのは少しつらかったのですが、そこはひとつ乗り越えるべきところでした。

何かが起こっても、仲間がいればどうにかすることができるんですよね。
そういう風に必要としている仲間が、もちろんいろんな事情があってのことですが、辞めるとなるとやはり寂しいところもありますね。

── 実際に署名を集められている時に大変だったことはなかったのでしょうか。

たくさんありましたけれど、目的を果たせた今となってはよい勉強になったと思っています。
目指すことに対して人それぞれの温度差もありましたし、一人でお宅を訪ねていると不安になる部分もありました。
それに行政とのやり取りも全部初めてのことだったので、とても大変だったときは辞めたいと思うこともありました。

ただ振り返ってみると、そういった経験をしたから次はこういう風に伝えればいいなとか、お願いするときはこういう言い方をしようと、自分の役割の捉え方も考えられるようになったんです。

── 署名を集めるだけでなく、市と交渉するのは主婦の方からするとハードルが高いことと思いますが、この段階ではどのようなことがあったのでしょうか。

提出用の文書作りをしたり、各議員の方へのアンケートを求めたりですね。
いろいろ大変でしたが、議員の皆さんが丁寧にアンケートを書いてくれて感謝しています。
給食が実現されるまではギクシャクした時期もありましたが、現在は議員の方とも普通に給食の話ができるようになりました。
そうやってわかり合えるようになってきたことも、今となっては大きいですね。

── それでは活動を通して、新たに手に入れたものやご自身の変化はありますか。

変化としては、コミュニティとの繋がりが増えたことですね。
他の人の活動を知ることができたり、他のチームに入れてもらったりということを通して、他団体が何を目的としてどのように解決しようとしているのかが、よく理解できるようになりました。

家族のバックアップを受けてより大きなチャレンジへ

井上やすこ 取材06
── 最後に、井上さんの今後の夢を教えてください。

これまで勤めていた仕事をお休みして、2018年6月の市議会議員選挙にチャレンジしようと思っています。
今までは署名を集めて議会に提出する活動をしてきたのですが、これからは拾った声をもっとストレートに行政につないでいく役割をしたいと考えているんです。

実は夫が現職の市議会議員で、私が頑張る気があるならと、夫が退いてバックアップしてくれることになりました。
加古川市には女性議員が少ないのでもう一人女性を増やすべきとも言ってくれていて、夫のこれまでの政策を引き継いて、プラス女性目線も加えた政策としてやっていくことにしたんです。

地域の市議会議員というものは、何かあったらどうしようかと世話を焼く地域のおじさんやおばさんのような役割じゃないかなと考えているんです。
ですので、これから議員をもっと身近な存在にしていきたいと思っています。
そして私が大好きな加古川市を、子ども達にも大好きになってもらえるようにしていきたいですね。

── 井上やすこさんにとって夢とは
井上やすこ 取材05

撮影/松浦静香

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