キャンドル作家兼講師・齋藤由紀子さんインタビュー

SNSでの発信に捉われた苦難の時期
── 活動を始めて、最初にぶつかった壁はありましたか。
一時期、SNSに作ったキャンドルをアップすることに夢中になり過ぎたことがあって。
いかに良く見せるか、たくさんの人に見てもらうかということにとらわれ過ぎて、制作が全く楽しくなくなったんです。
子供から見ても、ママはいつもスマホを触っているような印象なのではないかとも気になっていましたね。
最初は、子供と家で過ごしながら出来る仕事ということで始めたはずなのに、本末転倒だと思いました。
良い母、良い妻でありながらキャンドル制作も全力でと、すべてに頑張りすぎていたんです。
それで、いったん全ての活動を中止して、SNSのアカウントも削除しました。
── そこから、その壁をどのように乗り越えていったんでしょうか。
活動休止から10日ぐらいして、あるキャンドル作家さんとお会いする機会があったんです。
その方の作品はとても輝いていて、本当にキャンドル作りが好きで、自分が作りたいから作っているという気持ちが物凄く伝わってきました。
「万人に好かれるような作品を作らなくてもいいんだ」と吹っ切れて、またキャンドルを作りたいと思うようになったんです。
そこからは、自分のペースで、自分が作りたい物を作り、SNSをアップしたい時にアップするというマイペースな活動ができるようになって。
SNSで、皆さんが温かく受け入れてくださったのも大きいですね。
── SNSで落ち込んだけれど、SNSで励まされたという感じですね。
活動をしていく中で、現在までに起きた最大の試練があれば教えてください。
オリジナルを極めていくことです。
最初の頃、インスタで他の作家さんのお洒落で素敵な作品を見つけては真似して失敗、という負のスパイラルに陥ったことがあって。
しかし、真似ではなく自分自身のオリジナルを作り出して、お客さんがついて来てくれるようにならないと意味がないなと気づいたんです。
そこが一つ試練を乗り越えたポイントでした。
オリジナルは一個作れば終わりではなくて、いくつも打ち出していかなければならず、失敗することも多くて本当に毎回心が折れます。
これからも、その繰り返しですね。
転機となったキャンドル作家仲間からの言葉
── 現在の活動をする中で、何か転機となった出会いや出来事はありましたか?
ちょうど活動休止して落ち込んでいた時に、同じキャンドル作家の友人に相談していたんです。
いずれは助産師に戻りたいという気持ちや、キャンドル教室も開きたい、3人目も欲しいなど、悩みを全て吐き出しました。
すると、「気持ちはどんどん変わるから、どの夢もタイミングを見てやればいい」と言ってくれて。
それから、自分に正直に動いていこうと思うようになったんです。
── 活動を通して、齋藤さん自身の変化や手に入れたものがあれば教えてください。
「今が一番楽しい!」という気持ちですね。
前は、子供も赤ちゃんで身動きが取れなくて、自由に動ける人を羨む気持ちがあったんです。
しかし今は、可愛い子供にも恵まれて自分の好きなことが出来ている現状に、とても気持ちが前向きになりました。
これからも、もっと楽しくなるはずと思えます。
キャンドルを日本に広めて行きたい
── 最後に、齋藤さんの今後の夢や目標を教えてください。
キャンドルがもっと日本に広まって、キャンドルを灯す事が常識になればいいなと思います。
やっぱりまだまだ認知度が低いので、夜に電気の明かりでは無くキャンドルを灯せばどれだけ綺麗で癒されるか…という事を知ってもらいたくて。
あとは、もともと助産師として女性をサポートしていましたが、キャンドルの活動を通してもまた頑張っている女性の力になりたいという気持ちがあります。
小さい子供がいてなかなかストレスを発散できないお母さんが通えるように、子連れOKのキャンドル教室を開きたいですね。
子供が大きくなれば、今度は親子でキャンドル制作を楽しんでもらうことも出来ますし。
そして子連れの方だけでなく、仕事を頑張っている女性や、子育てがひと段落した女性にもキャンドル作りを楽しんでもらえたらと思います。
自分の一番の夢はキャンドルナイトを主催する事なんですが、もう一つの夢として、キャンドルを灯しながらベビーマッサージを出来たら素敵だなと考え中です。
── 齋藤 由紀子さんにとって夢とは
取材・文/AyakoSugimoto
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