コミュニティー空間『room4』管理人・林美智世さんインタビュー

「こうべ未来プロジェクト」への参加で夢が加速
── 民間企業ながらロケットエンジンの開発を成功させた「下町ロケット」のモデルとして有名な、植松努さんの講演会開催に関する活動もされていたそうですね。
この活動を始めたきっかけについても教えてください。
2016年の夏くらいに4階スペースが片付き、「room4」を立ち上げました。
その年の11月2日、人を通して出会ったのが、植松努講演会の神戸開催をめざす「こうべ未来プロジェクト」代表の後藤真弓さんです。
私も、NPOのコーディネーターとして講演会をしていたとき、植松努さんの「思うは招く」という話に感銘を受け、彼の講演を紹介していたので、「こうべ未来プロジェクト」に賛同し、活動拠点として「room4」を提供しました。
古い倉庫を片付けただけの「room4」を、今のきれいなスペースに仕上げてくれたのも、この「こうべ未来プロジェクト」のメンバーや、これまでNPOでともに活動してきた仲間たちです。
ずいぶん使われていない場所だったため、人が入れるような空間ではなかったんですが、「大丈夫、みんなで内装をやりましょう!」と言ってくれて、DIYを始めました。今もみんなでつくり中の空間です。
でこぼこを補い合える「人」との出会い
── 「room4」を含め、いろいろな活動をされてきたなかで、大きな障害や壁を感じたことはありますか?
一番大きかったのは生活が激変し、自由な時間やお金のゆとりがなくなったことですね。
そんな中で生まれた、「自分には無理…」という、押し寄せる“自己否定”こそが最大の壁でした。
でも、このまま終わりたくない、やりたいことをやって楽しみたいという気持ちで、ここまで来ました。
だからこそ、今は子どもたちの“自己肯定感”や“自分を信じる力”を育んでいきたいと思っています。
自分大好きで自己肯定感のある人は、だれかの夢も否定しませんから。
── 大きな転機となった、特別な出会いはありますか?
「この人」と、一人に限定することはできません。
必要な時に必要な人と出会ってきましたから、これまで出会った人が、私にとってはみんな必要な人です。
── これまでの活動によって得たものや、ご自身の変化などがあれば教えてください。
「room4」は人が集う空間というより、集まった人の力で夢をめざし叶えていく、パワフルエンジンのようなものと考えています。
誰かが「こんなことをやりたい」と夢を語れば、みんなで「いいね。やってみようよ」と動き出し、夢や感動を共有するところです。
私にとって一番の宝は人ですが、この「room4」では、そんな人との出会いをたくさん得ることができました。
また、私自身の変化で大きいのは、無理をしなくなったことです。
自分の好きなことをしても、できることは少なくて、足りないんですよね。
そのため、あれもこれもしなくてはと思いがちですが、そこは誰かが補ってくれるので、自分はありのままでOKと思えるようになりました。
だから、今の「room4」は誰もが互いに支援関係で、共同作業が基本。
それぞれが得意なことをすることにより、でこぼこを補い合い、ラクに楽しくものごとが進みます。
世界中にいる家族の国をめぐることが大きな夢
── 今後、「room4」で叶えたい夢はありますか?
当初の思いは、子どもたちをいろいろな人や、いろいろな価値観のなかで育て、好奇心の芽を育てたいというものでした。
ですから、「room4」では、子どもにも大人にも、リアルにいろいろな人のストーリーに出会ってほしいです。
場所はここにこだわりませんが、誰かの夢から人がつながり、夢の実現や感動を共有できたらいいなと思います。
── ご自身の夢についても教えてください。
昔から続けている活動でいうと、ホームステイの受け入れも含め、世界中に家族のつながりを作りたいと思っています。
私は自分の家に泊まりに来てくださった人は、家族みたいなものだと考えています。
そうした大切な人が暮らす国のことは気になるし、大事にしたいと思えますよね。
本当に身の周りのところからですが、世界中の家族と支え合い、思い合って暮らすという、ふんわりした愛のつながりを増やしていきたいです。
それから、神戸と田舎をつなげて、お互いにないものを助け合うようなかたちで、地方創生に役立つことも進めていきたいです。
また、これまで出会った多くのゲストの国を、主人と一緒にすべて訪ねたいとも思っています。
アジア、アメリカ、ヨーロッパなど、広い地域にたくさんのつながりがあるので、これは大きな夢になりますね。
小さな夢でいうと、大人のチアリーディング部を作りたいんです。
認知症の予防策にもなるし、人を応援することも好きですから。
── 楽しもうという気持ちが、大きなパワーになっているようですね。
足りない部分も含めて、当たり前に「自分全開で生きる」ということを、周りにあふれさせていきたいです。
── 林美智世さんとっての『夢』とは
1 2
この記事のシャイニスタ

いいね ! しよう