雛人形はいつから飾る?いつしまう?気になるお雛様を飾る時期

雛人形を飾る時期、知ってる?
子どもの成長を祝い幸せを願う伝統行事であるひな祭りは、年に1度の女の子のお祭り。
美しいお雛様を飾り付けることは、ひな祭りの楽しみの一つでもあります。
しかし雛人形はいつから飾るのか迷ってしまい、適した時期や縁起の良い日があれば知りたいところ。
そこで、雛人形はいつから飾りいつしまうのか、目安となる最適な時期を紹介していきます。
雛人形をベストな日に飾って準備を整え、晴れやかにひな祭りを迎えましょう。
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雛人形はいつから飾る?
雛人形はこの日に飾るというような、特定の日取りが決まっている訳ではありません。
けれども、一般的には雛人形を飾るのに適している時期が、季節の節目を基準に考えられています。
雛人形を飾る時期の目安として広く普及しているのは3つ。
- 立春(りっしゅん・2月4日頃)に飾る
- 雨水(うすい・2月19日頃)に飾る
- 立春から雨水までの間に飾る
どの日でも間違いではありません。
立春は二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、暦の上では春が始まるという意味。
二十四節気とは太陽の動きを基にした昔の暦で、1年を約15日ずつ24分割し、それぞれに季節を表す名称が付けられています。
旧暦では立春が新年の始まりとなっており、新春を迎えるというおめでたい日です。
前日の節分には豆まきをして一年の厄を払う風習があります。
そして、立春と同じく二十四節気の一つとなる雨水は、雪や氷が溶け出す頃を意味し、農作業の準備を始める時期の目安とされていました。
雨水に雛人形を飾ると、良縁に恵まれるという言い伝えのある地域もあります。
とは言え、雛人形を飾る時期は地域・家庭によってさまざまに異なるもの。
お正月が明けた1月7日や1月15日頃から飾るところもあれば、旧暦に合わせて4月上旬に雛祭りをお祝いするところもあります。
各家庭や地方の習わしや決まり事については、両家の家族にも相談してみると安心です。
初節句は早めに飾って長く楽しむ
女の赤ちゃんが産まれて初めて迎える雛祭りは、初節句と呼ばれる特別なお祝い。
祖父母や親族と共に初節句のお祝いをする家庭も多くあります。
初節句の場合に、お正月明けや立春、立春をすぎてすぐなどの早めの段階で飾り付け、長く雛人形をお披露目することもあります。
大安や仏滅は気にした方が良い?
大安や仏滅などの「六曜」は、雛人形を飾る日取りとは関係のないものなので特に気にする必要はありません。
しかし、日常生活に取り入れている人も多く、気になる場合は「吉日」とされる大安に飾るという選択も。
大安の他にも先勝、友引、先負、赤口があり、これらは日によって吉となる時間帯が割り当てられています。
あくまでも「気にする人は」となりますが、六曜で吉とされる日時は縁起が良いので、吉日に合わせて雛人形を飾りましょう。
大安・・・一日中○
友引・・・朝○、夕○
先勝・・・午前○
先負・・・午後○
赤口・・・正午前後○
仏滅・・・一日中×
飾るのに向かない日
雛人形を飾る日に特に決まりごとはないものの、できれば避けたい日があります。
縁起が悪いとされているのは、ひな祭りの前日となる3月2日に雛人形を飾ること。
前日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、お葬式を連想させてしまうためと言われています。
雛人形を慌てて飾ることにならないよう1週間前には飾り付けを済ませておきましょう。
雛人形をしまう時期
雛人形をしまう日にも決まり事はありません。
けれども、季節の節目を基準とした片付けに適しているとされる期間があります。
二十四節気の啓蟄(けいちつ・3月6日頃)から同じく二十四節気の春分の日(3月21日頃)の間です。
ひな祭りが過ぎてすぐの3月6日頃にある啓蟄は、春めいてくる季節を表し、冬ごもりをしていた虫たちが土の中から出てくるという頃。
この日からが、雛人形を片付ける際の目安となります。
必ずしも啓蟄や春分の日にしまうのではなく、天気が良く湿度の少ない日を選ぶことがポイント。
なぜなら、カビや傷みの原因となる湿気は雛人形や雛飾りにとって大敵だからです。
啓蟄から春分の日の間を目安に、雨の日は避け、天気が良く湿気の少ない日を選んでしまうことをオススメします。
片付けが遅れると婚期が遅れる?
いつまでも雛人形を片付けないと婚期が遅れるという言い伝えを耳にすることがありますが、これは迷信であり根拠のないもの。
この言い伝えの背景には、片付けが出来ないようでは立派な女性になれずお嫁に行けない、というしつけの意味があるとされています。
また、ひな祭りの起源は厄払いであったため、川へ流して厄払いをすることと雛人形を片付けることが同様の意味を持つという説も。
他には、娘を嫁がせることを昔は「片付ける」と言ったことから、早く雛人形を片付けないと娘が片付かないためという説もあります。
いずれにしても娘を想う親心から、このような言い伝えが今の時代にも受け継がれていると考えられます。
ひな祭りに雛人形を飾る意味
ひな祭りは女の子の成長を祝い、幸せを願う大切な行事。
雛人形には、子供の身代わりとなって災厄を引き受ける厄払いの役目を持つとされています。
女の子にとってお守りのような存在である雛人形を飾る意味は、我が子が健やかに成長し幸せであるようにという親の願いが込められているからです。
雛人形は何歳まで飾る?
雛人形を飾るのは何歳になるまで、というような決まりごとは特にありません。
例えば、中学卒業や高校卒業、成人式を区切りとしたり、結婚を区切りとしたりと、各家庭の考え方次第で構わないのです。
親は子の幸せをいくつになっても願うものなので、女児の成長と幸せを見守るお守りのような雛人形を、ずっと飾り続けても問題ありません。
結婚後も飾る?
昔は雛人形を嫁ぎ先にも持参し飾るという風習があったように、結婚後も雛人形を飾ることはOKです。
しかし現代では住宅事情もあり、結婚を機に飾らなくなったり実家で両親が飾ったりといったケースもあります。
できれば1年に1度は出してあげられると、大切なお人形のカビ対策や害虫対策としても有効です。
スペースがある場合は、子どもの雛人形と一緒にママの雛人形も飾りましょう。
そうすれば、伝統が感じられる一層華やかな雛祭りになります。
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人形供養
結婚をするなど一人前の女性へと成長した後は、雛人形に込めた願いは成就し役割を果たしたという考え方もあります。
役目を終えたお雛様は子育てや成長の思い出の品として飾るほか、人形供養をお願いするという方法も。
神社やお寺では、家庭で役目を終えた人形類を供養する人形供養や人形感謝祭を行っているところがあります。
また人形屋でも店への持ち込みや配送などで人形供養を受け付けている場合も。
雛人形を手放す際には、これまでの感謝の気持ちを込めて丁寧に供養するという選択肢もあります。
雛人形の由来
3月3日に雛人形を飾ってお祝いをするひな祭りは、古くからの信仰や神事、行事などが融合し、現在の形へと伝えられたものです。
中国から伝わった「上巳(じょうし・じょうみ)の節句」と、日本の平安時代の「ひいな遊び」が主な由来であるとされています。
そして現在のような雛人形を飾って楽しむという風習は、江戸時代に広まり定着しました。
上巳の節句とは
古代中国で行われていた「上巳の節句」という、お祓(はら)いの行事が日本にも伝わりました。
上巳の節句は3月最初の巳の日に行われる厄払いの行事で、水に入り災厄を祓うというもの。
また、人形(ひとがた)と呼ばれる紙や草木で作られた人形に、自分の厄や穢(けが)れを移し、川に流すことで厄払いをするという行事です。
これは現在も日本各地で見られる「流しびな」のルーツと考えられています。
そして厄除けの力を持つとされた桃の花が使われていたことから「桃の節句」と呼ばれるようになりました。
ひいな遊びとは
平安時代、貴族の子供たちは「ひいな遊び」という人形遊びを楽しんでいました。
これは、布や紙で作られた素朴な男女一対の人形を使う遊びです。
人形は時代と共に華麗な女雛と男雛へと変化し、雛人形を飾って楽しむ風習が広まる基になったとされています。
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