住宅ローンの見直し方法!借り換え時期やポイントを専門家が伝授

ライフイベントを意識した返済プランを立てよう
多くの方にとって、住宅ローンは人生最大の借金です。
これからの半生をかけて長期間にわたって返済をしていくことになりますので、冷静にしっかりと見通しを持って返済プランを作ることが重要です。
例えば、まだ子どものいない新婚時代に住宅ローンを組んだ場合、夫婦共働きであれば毎月6万円の返済額は、さほど負担に感じることはないかもしれません。
では、出産育児にともない妻が退職し、夫の収入だけで6万円の返済をすることになったら、どうなるでしょうか?
さらに、お子さんの成長とともに教育費がかさむ時期にはどうなっていくでしょうか?
住宅ローンの支払いは長期間にわたるものです。
ライフイベントの発生にともなう家計への影響も考慮し、手堅い返済プランを考えておくことは、長きにわたって家計を守る備えとなります。
返済終了時の年齢を意識
近ごろ「老後の貧困」が社会問題としてクローズアップされています。
なんと老後の生活費用でお困りの方の中には、それなりの企業にお勤めになられ、真面目で平凡なサラリーマン生活を送ってこられた方も大勢いらっしゃるのです。
老後の貧困の原因のひとつに、現役時代に支払いを終えることができなかった住宅ローンの返済が、大きくのしかかってきているケースが考えられます。
長期の借入となる住宅ローンの返済期間を長期化させ、安易に老後まで引きずらないことがポイントです。
そこで、ライフイベントのひとつである定年退職を意識した、実践的な返済計画の作り方をご説明していきます。
住宅ローンの借入期間は、最長35年。
完済時の年齢が75歳までだからと定年後も住宅ローンの支払いをしていく計画を立てている方もいます。
そういう場合であれば、できるだけローン完済年齢を退職年齢の前になるようなプランの見直しがいるでしょう。
例えば、現在40歳で定年を迎える65歳まであと25年の場合、借入期間は最長で25年にとどめるということになります。
すでに住宅ローンを返済中のご家庭では、再度ご主人の定年退職の予定年齢と住宅ローン完済予定をチェックしてみるのがオススメです。
「漠然とした不安」から「具体的な完済目標」に置き換えてみてください。
子供の成長とともにかさむ教育費
子育て世代にとって、こどもの教育費は家計上で大きなウェイトを占めます。
住宅ローンの支払と並行して、教育資金の準備は着実にすすめていく必要があります。
まずは、お子さんの年齢をもとに、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学への進学予定年齢を調べてみましょう。
子どもにどのあたりの学歴を期待するのか、文系・理系の選択肢によっても、必要となる教育資金はは異なってきます。
ちなみに、『教育資金は子どもが小さいうちが貯め時』です。
“すでに住宅ローンの支払いに追われ、教育資金まで貯金する余裕がない…”というご家庭は、今からでも返済プランを見直してみてください。
住宅ローン借り換えのポイント
借り換えブームが落ち着いた理由
平成5年以降、金利の下降を背景に高金利の時に借入れた固定金利の住宅ローンから低金利の住宅ローンへの借り換えが急増しました。
特に住宅金融公庫(廃止後、住宅支援機構に移行)の段階金利が、高金利に跳ね上がる借入れ11年目以降の利用者が出始めた時期と金利の落ち着いた時期が相まって、平成7年以降増えました。
平成7年以降は低金利で推移していて、当初から低金利で借り入れされている方が多く、以前ほど軽減利息の金額が多くはないため借り換えブームが落ち着いてきたようです。
金利タイプについて
同じ金融機関の借り換えローンでも、変動金利型、固定・変動金利選択型、固定金利型と、様々な金利タイプの商品がラインナップされているため、素人にはどれにすればいいのわかりずらいといった声もよく聞かれます。
今後、金利は上がるのか、下がるのか…。
金融のプロでも、この先10年の金利水準を見通すことは困難ですし、断定的なことは申し上げることはできません。
こればかりは、自己責任で判断していただくことになります。
まずは、シンプルに「固定」と「変動」を例にあげて、覚えていただきたいセオリーをご紹介します。
『借入は、金利上昇時には固定を、金利下降時には変動を』
この先、金利が上がっていきそうな気配であれば、金利固定型を選択すると、低金利時代の金利のままで固定されているので、利息がかさむ心配はありません。
逆に金利が下がっていきそうな気配であれば、変動金利を選択すると、市場金利の低下とともに適用される金利も下がりますので、利息の支払いが楽になっていきます。
固定期間選択型は、借入当初いくつかのタイプから固定期間を選択し、その固定期間終了後、その時点で改めて変動金利型や固定金利型を選択する仕組みになっています。
また、この時点で変動金利型を選ぶと、ふたたび固定金利型を選択できない金融機関もあるので注意が必要です。
借り換えを見極める3条件
やみくもに借り換えをしたからといって、必ずしも節約効果が期待できるとは限りません。
節約効果が期待できるのは、次の3条件にあてはまる場合がひとつの目安となります。
返済中の住宅ローンが上記の3条件にあてはまるのであれば、金融機関のホームページで借り換えシミュレーションをしたり、金融機関窓口で相談したりしてみるのもオススメです。
また、現在は低金利で変動しているので、昔ほどは借り換えによる利息の節約効果を実感しにくい面はありますが、明確な目的意識があって借り換えをするのであればメリットはあります。
例えば、『子供の成長とともにかさむ教育費』の見出し内でもでふれた教育資金の準備ですが、月々の住宅ローンの支払いに追われ貯蓄する余裕が全くないのであれば、借り換えローンの利用により、多少の捻出が可能になる場合もあります。
さらに、利便性の向上を狙うのも借り換えの理由としては正解。
最近の借り換えローンは、繰り上げ返済時の手数料が無料であったり、銀行などに出向かなくとも、インターネットで申請することで手続きを簡単に済ますことができたりもします。
老後に向け早期完済をめざして積極的に繰り上げ返済を検討している方にとっても、利便性のよい借り換えローンにはメリットが期待できます。
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