【アダルトチルドレンの特徴&診断】あなたの行動チェックリスト

アダルトチルドレンの特徴とそれに伴う病気や症状を心理療法カウンセラーが紹介しています。自分自身の親子関係や幼少期の経験を振り返り、チェックシートで診断します。
人間関係
森口瑞恵
森口瑞恵 (もりぐち みずえ)
心理療法カウンセラー

アダルトチルドレンの特徴ってどんなもの?

アダルトチルドレンとは、その人の自我状態に着目し生まれた考えです。

大人になっても子どもの自我状態であったり、子どもの自我状態であるがゆえに解決できていない問題が多かったりと、大人としての役割が果たせない場合です。
家庭の機能不全の中で育った人、親としての健全な役割を果たせない親の元で育った人が、しんどさや生きづらさを感じている場合の総称として使われています。

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アダルトチルドレンという病名はありません。
アダルトチルドレンと呼ばれる方達は思考の偏り、それに伴う感情の不安定さにより生きづらさを抱えています。
でもその状態が日常であり普通になってしまっていて、生き辛いと感じられない場合もあるようです。

  • 考え方が極端に偏ってしまっている
  • 怒りや悲しみが潜在意識の中にたくさん溜まっている
  • 傷つき体験によるトラウマがある
    (自分自身で気付いていない場合もあります。)
  • 生きる理由をずっと探し続けて苦しくなってしまう
  • 感情のコントロールができない場面が多い
  • 心身ともにリラックスをすることができず、緊張状態でいることが多い
  • エネルギー不足に陥っている
  • 人間関係にトラブルが多い
  • うつ、神経症、乖離などの症状が出てしまっている
  • 親に対する愛情、憎しみ、罪悪感など様々な相反する感情が渦巻いている

頑張って頑張って生きてきたけれどある時からやる気が出なくなり・動けなくなり・人が怖くなり・こころも身体も固まってしまう。
なぜ動けないのかわからず混乱したり、周りの人には理解されなかったりで辛さが上乗せされ、重なり苦しさが増していきます。

そんな状態になってカウンセリングに来られる方がたくさんいます。

なぜアダルトチルドレンになるの?

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アダルトチルドレンと呼ばれる状態になる原因は子どもの頃の環境が大きな原因です。
様々な要素がありますが親もまたアダルトチルドレンであることが多いのです。
人は自分が幼い頃に学んだコミュニケーション方法で人と関わります。

自分の家庭環境はどうだったか振り返ってみましょう。
下記の項目を参考にしてみてください。

育った家庭環境チェック

  • 家庭内に虐待やDV(身体的・精神的・性的な暴力)があった
  • 兄弟・親戚・近所・友達などといつもくらべられてきた
  • 親が与えてくれる愛情はいつも条件付きだった
    (いい子でいれば愛情が貰えるなど)
  • 親が精神的に不安定だった
  • 親がアルコールなどの依存症であった
  • 親が過保護や過干渉であった
  • 常にプレッシャーを与えられてきた
  • 自分の気持ちが最優先の親であった
  • 家の中に安心と安全が確保されていなかった
  • 母親がいつも不幸せそうだった
  • 自分が素でいられる安心できる場所がなかった
  • 親と子どもの役割が逆転していた
    (これは精神的なものも含めてです)
  • 両親が不仲の場合や、家庭内に会話や笑顔が少なかった
  • 親に否定されることが多かった
  • 甘えたい時に甘えられる環境になかった
  • 認めてもらえたり、褒めてもらったりした経験がほとんどなかった
  • 暴力のある環境だった

どの環境も子どもにとっては地獄です。
でもこれは子ども達それぞれの受け取り方で変わってきますので、同じ環境にいても皆が影響を受けるとは限りません。

重要なのは子どもがどう受け取ったかであり、ほんの些細な親の言動や行動でも子どもの思考や感情に大きな影響を与えてしまうこともあるのです。

学んだ思考やコミュニケーション方法は、代々受け継いでいってしまいかねないものです。
生きづらくしている思考や思い込みは自分のところで断ち切って、子どもに受け継がせないように解決していきたいですね。

アダルトチルドレンチェックシート

自分がアダルトチルドレンではないかと不安に思っている方は、下記のチェックシートを一つの参考にしていただければと思います。

『○○しなければならない』『○○すべき』がとても強い
白か黒か・0か100かでしか考えられない、グレーゾーンが受け入れられない
極端なネガティブ思考である
些細なことで怒りが湧きあがる
自分に価値が無いと思ってしまう
小さなことを一つ注意されただけで自分が嫌われている、自分はダメだと大きくとらえ過ぎてしまう
愛されていないと思ってしまう
人の顔色ばかりうかがってしまう
罪悪感がとても強い
自分の気持ち、自分のしたいことがよくわからない
うつ状態、神経症、乖離などの症状がある
アルコール、買い物、セックス、ギャンブル、薬等に依存してしまう
ワーカホリック(仕事中毒)の傾向にある
会社やご近所、保護者同士など人間関係のトラブルが多い
いつも暴力的な人と恋人関係になる
恋人やパートナーに選ぶ人は「自分が居なければこの人はだめになる。自分が何とかしてあげなければ」と思う人が多い
完璧主義である
物事を多面的にみることが出来ずに「こうするしかない」と思い込みやすい
友人や恋人・夫婦など、対等で良いはずの関係でも対等な関係を築くことができず、いつも上下の関係になってしまう
ある程度の年齢まで「いい子」でいるために頑張ってきた、又は今でも頑張り続けている
リストカットの経験がある
どんなことも人のせいにしてしまう
どんなことも自分のせいだと思って常に自分を責めてしまう
いじめや不登校の経験がある
何をやるにも意欲がわかずに無気力だと感じる
喜怒哀楽、それぞれの感情に感じられないものがある
他人に対して攻撃的になってしまう

これらが全てということではなく上記はあくまでも例です。
誰でも少なからずあてはまる項目もあるかもしれませんが、これらの傾向が強く出て生きづらさに繋がっている場合は、
アダルトチルドレンの可能性があると言えるかもしれませんので参考にしてみてください。

チェックシートの結果から見る対処法

上記のチェックシートの中であてはまる項目が一つでもある場合、自分の根底にある本音と向き合うことを考えてみて下さい。
それによって生きづらさ・悩み・人生に投げやりな気持ち・何だかうまくいかないことが多いと感じているのではないでしょうか。

「チェック項目が少ないから大丈夫」ではなく1つでも3つでも自分の中に苦しさがあるかどうか、楽しく幸せに暮らせているかどうかで見てほしいです。

5項目以上に当てはまる場合

私が積極的に心のケアをしてほしいと思う目安としては、5項目以上当てはまり子どもの頃家での居心地がよくなかった方です。

特に一生懸命良い子でいたという方。
今は苦しさが我慢できる程度だとしても、今のうちに自分の心の手当てについてじっくり考えてみてほしいと思います。

アダルトチルドレンと呼ばれる方達の傷つき体験は、本人が傷つき体験だと気付いていないことも多々あるので、知ろうとすることが一歩踏み出すことになるのだと思います。

7項目以上に当てはまる場合

チェック項目の3分の1、7項目以上に当てはまった場合かなりのしんどさを抱えているのではないでしょうか?
カウンセリングに来られる方は、7項目以上当てはまるだろう方が多いです。
ピアサポート・カウンセリング・自分で対処するための本なども出ていますので、少しでも早く自分の傷に気づいて今できるケアをしてほしいと思います。

どの方法を選んでもOKですので、まずは知ることから始めて今の自分にできるケアをしていきましょう。

手当てが少しずつ進んでいくと絶対だと信じていた考え方も変化したり、多面的に物事を見られるようになり選択肢が増えたりと、生きやすさに繋がる期待ができます。

考え方に変化があると湧き上がる感情も全く違うものになります。

日々の日常生活でできること

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日々の日常の中で自分にできることとしてエネルギーを蓄えることがあります。
体力的なエネルギーももちろん大切ですが、ここで挙げるエネルギーとは、精神的な内にある『生きようとするエネルギー』のことです。

アダルトチルドレンで苦しんでいる方は、そのエネルギーが常に吸い取られているような感覚で消費ばかりしていて蓄えることができず、エネルギー不足の方がほとんどです。

充電することを意識してみましょう

  • 気持ちがホッとできる時間を少しでも持つ
  • 好きなこと、やりたいと思うことをする時間を持つ
  • 安心して素の自分でいられる場所をつくる
    (安心できる人でもOK)

エネルギーを蓄えることはとても重要であり、心身共にリラックスできる時間が必要です。
何をしたらいいかわからない人は日常のほんの小さいことでOKですから、とにかくできそうなことをやってみてほしいと思います。
その中から「これは悪くない」と思えることを見つけていきましょう。

考え方の練習を意識してみましょう

ネガティブな考えが浮かんだ時それしか考えられなくなるかもしれません。
でも物事には必ずポジティブとネガティブ2つ以上の見方があります。

無理やりでもいいのでポジティブな見方をしたとしたら、どんな見方があるかを考えてみる練習をしていくことも一つの方法です。

例)
ぼーっとしている夫がいる

  • ネガティブ
    誰のことを考えているのだろう?と不安になる
  • ポジティブ
    リッラクスできていて、良い時間を過ごしているんだなぁ

人によって見方は違いますし、選択肢はもっとあるかもしれません。
以下の流れをたくさん経験していくことが大切なので、何かをするときにはこの流れを意識してみてください。

  • どんな小さなことも自分で自由に選択して決める
  • 行動に移す
  • 結果を自分で受け入れる
この流れが習慣になれば精神的な自立に繋がりそれは回復にもつながります。
  • 誰かに言われてやったとしても自分の決断だと意識する
  • 人に責任を負わせるのではなく結果も自分で引き受ける
  • できないと思っても、やらないことを自分が選んでいるのだと意識する

向き合いたくない過去と向き合う覚悟をする

辛い記憶がある方にとって自分と向き合うことはとても苦しいことです。
でもその覚悟が出来た時、楽に生きられる未来への一歩が踏み出されます。

こころのケアをするということはもちろん自分のタイミングが大切ですが、辛い記憶や感情にふたをしたままにせず、今後の人生を楽しいものにしていくことなのです。

【あの人】に思い当たる時

では、自分の周りにアダルトチルドレンの特徴を持った人がいる場合は、どのように接したらいいでしょうか?

夫がそうかもしれない

夫がそうだとすれば、義理の父母もその可能性があるということです。
認められたいという誰もがもっている欲求が満たされずに大人になってしまった可能性があります。
認めてほしい気持ちが満たされず今も親からの承認を無意識に求めている人は、その欲求を満たしてくれる存在を求めて浮気するかもしれません。

親を憎む気持ちが強い人は、同時に愛されたい欲求も強いです。
満たされない悲しみが怒りに変わり、攻撃的になる人もいるでしょう。

まずは「この人は愛情に満たされない切なさや悲しみがたくさんあるのかもしれないなぁ」と意識してみることです。

否定せずまず聴く
本音を話せない人も多いので、日ごろから話をじっくり聴くということも大切です。
「私はこう思うけれどあなたはどう思う?」という私を主語にした「Iメッセージ(アイメッセージ)」と呼ばれる話法です。
否定されたり、認めてもらえなかったりという傷つき体験を持った方が多いので「あなたはどうしてそうなの?」というようなあなたを主語にした否定的な言葉は避けたいです。

言葉で感情の交換をする
テレビでも映画でも関わった人についてでも、どう感じるかどう思うかという感情の話を多くしていけるといいと思います。
感情を外に出す練習ができると辛かった過去の話もできるようになるかもしれません。
身内や大切な人である場合は、カウンセリングなどを受ける方法もあることを情報提供程度に伝えられるといいですね。

押しつけることなく「そんな選択もあるよ」「もっと楽に生きられるようになるかもしれないよ」と提案するのです。
一人で頑張らなくてもいいこと、頑張らなくても価値は変わらないし、頑張っていようがいなかろうが私にとっては大切な人であることを伝えてみましょう。

身近な人に心当たりを感じる

会社や保護者や近所づきあいなどで、アダルトチルドレンかも?と感じる方がいる場合は、まずは自分を守る方法を確立しておきましょう。
むやみに傷つけてくる場合もあります。

自分を守るためのイメージ
「この人はたくさん傷があるかもしれない。悲しみが怒りにかわっているのかもしれない。」と意識したうえで攻撃的な人と接することが避けられないときは、以下のようなイメージも効果的です。

  • 下っ腹に力をいれて、自分の前に厚い壁があって相手の攻撃が自分まで届かないようなイメージ
  • 光のバリヤに守られていて攻撃を跳ね返すイメージ
  • 自分の中にグサッと入れてしまわないようなイメージ

対等な関係を心がける
上から目線な人、顔色をうかがうように謙りすぎた態度で接してくる人には、相手のご機嫌をうかがうような行動も見下すような態度も取らず、対等でフラットな関係を強く意識しましょう。

上司や先輩は立場は上ですが、人間の価値は平等ですから見下されることが仕方無いことにはなりません。
言葉遣いの丁寧さや、敬う態度は必要だとしても、上司だからといって自分を否定されるような言動は間違いなのです。

これらを試してみても境界線を踏み越えてくるような方、どうも嫌な思いをすることが多いと感じる方とは、ある程度の距離を保つ勇気も必要です。
攻撃を自分の中に入れないよう守る意識をして、自分がトラウマを抱えてしまわないよう笑って生活できる環境を大切にしてほしいと思います。

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森口先生の伝えたいこと

アダルトチルドレンという言葉にとらわれすぎないこと

私は普段カウンセリングをしていても、アダルトチルドレンという言葉はあまり使うことはありません。
病名ではありませんし、個人的にはその言葉にこだわる必要もないと考えているからです。

でも質問をされてお答えすることで「あー私はアダルトチルドレンだったからしんどかったのかー」としんどさの原因が分かって安心する方がいるのもまた事実です。
「安心して心をケアしていく」ことが何より一番大切だと思いますので、安心の材料になる程度の重さとして言葉を使えたらいいなと思います。

中には病名のように受け取って、余計不安定になってしまう方もいますので、あまり言葉自体にとらわれる必要はないかなと思っています。
家庭の機能不全により傷ついた過去があっても、こころのケアをすることで楽に生きられるようになる可能性があります。

この記事のまとめ

アダルトチルドレンは病名ではなく、家庭機能不全の環境で育ち辛い思いをしている方の総称です。
思考の偏り、それに伴う感情の不安定さでいつもエネルギー不足の状態なのがアダルトチルドレンの特徴。
チェック項目が5項目以上あり家の居心地が悪かった方、一生懸命良い子を頑張ってきた経験がある方人は、こころのケアを考えてみてください。

もし自分がアダルトチルドレンかもしれないと思っても大丈夫。
知って、気づいて、ケアすることで今より生きやすい未来が訪れます。
まずは自分がどんな家庭環境の中で育ったか、一度じっくり向き合って、真実を認めることから逃げないようにしましょう。

精神的に親から自立するために、自分自身で選択・行動し、結果を受け入れると言う流れを意識してください。
物事には必ず2つ以上の見方があり、選択肢を広める練習も必要です。
また、エネルギーを蓄えるために、好きなこと、やりたいこと、ホッと力を抜ける時間、安心できる居場所を諦めずに探してみましょう。

身内にアダルトチルドレンと思われる人がいる時は、ケアすれば楽に生きられることを情報として知らせてあげてください。
身内以外の場合は、自分を守る方法も身に付けておきましょう。
そして、アダルトチルドレンという言葉にあまりとらわれないでほしいと思います。

記事を書いた人

森口瑞恵
心理療法カウンセラー
森口瑞恵 (もりぐち みずえ)
もっと楽に生きられるよう、あらゆる人間関係の悩みをサポート。対面や訪問相談だけでなく、メールや電話カウンセリングも対応。
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