第二次反抗期を乗り越えるには?この時期の子供の特徴と親の対応

反抗期は人それぞれ。子どもの第第二次反抗期に子どもに合った受け止め方や、親子で乗り切るための対処法について専門家がアドバイスしています。
人間関係
森口瑞恵 (もりぐち みずえ)
心理療法カウンセラー

前回の第一次反抗期に続き、今回は第二次反抗期をどう受け止めていくかをお話したいと思います。

第二次反抗期

13歳頃からの思春期に訪れる第二次反抗期。
自分と友達を比べていろんなことを想ったり、自分の存在自体に思いを巡らせたりして、自分のアイデンティティを確立していく時期です。
本をとる女子中学生
14歳前後は特に感情的には2歳児と似ていると言われることもあるようですが、この時期の子どもたちの心の中はまさに嵐だと言います。
そのくらい不安定で危いものだということです。

様々なきっかけで不登校・引きこもり・非行などが起きやすい時期

  • ネットがらみのトラブルやいじめ
  • 進路についての悩み
  • 部活動についての悩み
  • 家庭の悩み

家庭の空気や親への接し方など、一番敏感に感じる時期でもあり心が波立ち、悩みやトラブルが大きなものになる事があります。

そのことを前提として知っておけば、子どもと一緒に不安定になってしまったり、おろおろして受け止められないということを防げるかもしれません。

子どもの不安定な気持ちをどんと受け止めるようなイメージで、第一次反抗期と同じように「成長しているんだなぁ」「ここまで自分も子育てしてきたんだなぁ」と自分のこれまでを褒めたり労ったりしてみましょう。

この時期の子ども達への対応

図書室で勉強する男子中学生
この時期は自分の存在について思いを巡らせたり、問題が起きた時には自分で解決しようとしたり、精神的に自立しようとする大切な時期です。

親は過干渉にならず、気持ちを理解しようとしていることが子供に伝わるようにじっくり話を聴くことが大切です。

親も約束を守る

子どもたちにお金もかかるようになり、親も忙しく働いている方が多いかもしれません。
でも、この時期は成長の過程で大切な時ですので「忙しいからまたにして」と言ってそれっきり話を聴かなかったり、何かをしながら片手間に聞くのではなく、座ってしっかり話す時間を持てると良いなと思います。

どうしても時間が取れないときは、時間がとれる日時を決めておいて約束通り話をしましょう。

子どもの考えはコロコロ変わることが普通

この頃の子どもたちは、その都度言うことがコロコロ変わることも珍しくありません。
「この前はああ言ってたのに、今度は反対のことを言っていて訳わからない」と思ってしまうこともあるでしょう。
でも、心配はなく普通のことです。

子ども本人が自分でびっくりするくらい変わることもあります。
その時々で彼らは真剣に考えて本当にそう思っていることが多いので、否定したりせずに最後まで話を聴くことを心がけてほしいと思います。

子どもの経験を奪わない

NOという母、うんざりする息子
子どもたちの経験を奪わないように、口出し手出しをせずに見守ることができると良いですね。
親が先回りしてアドバイスしたり、解決したりすることは子どもの大切な経験を奪い、自分で考えて選んで行動するという自立をも奪ってしまいます。

心配で口を出したいときも、見守ることを心がけたいです。

親の気持ち

親の言うことを素直に聞いたり可愛げのあった幼い頃から、何を考えているかわからない思春期・反抗的を迎えた時に、お母さんも複雑な気持ちになったり、切ない想いをしたりすることがあるかもしれません。

そんな時は、お母さんは自分の好きなことをする時間も大切にして、子どものことで頭がいっぱいにならないようにしましょう。
お母さんが楽しく笑っていられる時間があることが、子どもの心にはとても大切です。
コーヒーを飲む女性2人

子どもに寄り添う

どんな性格の子どもであっても、親が子どもの話をきちんと聴く体制ができているかが一番大きいです。
親にできることは、親の意見を押し付けるのでなく、じっくり子どもの気持ちに耳を傾け、気持ちに寄り添うことです。
「いつでも話を聴くよ」という気持ちを伝え、話しやすい空気を家庭の中で作ることが大切です。

それには、夫婦の会話が多く家庭内に笑い声があること、他愛ない話が楽しく出来る家であることです。
一人親の家庭であっても、お母さんがいつもニコニコして楽しそうでいることです。
そのベースがあって初めて子どもは安心して自分のことに集中できます。

しつけにも最適な時期

第一次反抗期と同じように、この時期もしつけに適した時期だと言われています。
家の中でもそれぞれに役割を分担したり、自分のことは自分でやる・守ることは守る。

親は一貫したぶれない強さを持ちたいです。
心配なことも、口出ししたくなることもたくさんあるでしょう。
でも子どもを見張るのではなく、何をして何を感じているのか、気持ちを理解しようと耳を傾け、見守ることができると良いですね。

余裕がないと感じたら、子どもが小さかった頃の写真を見たり、エピソードを思い出して家族で話したりすることで、あったかい気持ちになれる事もあります。

一人で抱え込む前に

家族の協力が無い場合・一人親家庭の方は一人で全部抱え込まずに、親の会を探したりカウンセリングを受けたり、子育てについて相談できる場所を活用してください。
Student’s hand

  • 担任や学年主任の先生
  • 親や人生の先輩達に経験談を聴く

専門家に相談

  • カウンセラー
  • 今はスクールカウンセラーを置いている学校も多いので、どうしたら良いかわからないくらい切羽詰まってしまう前に、本音を話せる場所を見つけて親が心の余裕をつくることが先決です。

  • 思春期の子どもの親の会
  • 自助グループ
  • ピアサポート
  • 周りに本音が言えない場合は、親の会などで個人的にじっくり話ができる場所を試す選択も。
    各県の精神福祉センター・教育委員会等にも相談窓口がありますし、地元で親の会を紹介してもらえる場合もあるので、お住まいの窓口に問い合わせてみましょう。

自分の中に溜めこまずに、本音を話せる自分の居場所を探すことから始めてみましょう。

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記事を書いた人

心理療法カウンセラー
森口瑞恵 (もりぐち みずえ)
もっと楽に生きられるよう、あらゆる人間関係の悩みをサポート。対面や訪問相談だけでなく、メールや電話カウンセリングも対応。
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