ドラッグストアに聞く!葉酸サプリの選び方と状況別おすすめ商品

妊活中や妊娠中の女性に必要とされる「葉酸サプリメント」。
ネットショップにもドラッグストアにもさまざまな商品があふれ、「どこでどんな葉酸サプリを選べばいいの?」と悩んでいる方もたくさんいます。
そこで今回は、「プレママクラス」や「育児相談会」の開催が好評で、プレママやママに優しいドラッグストアとして注目の「スギ薬局」を訪問。
店頭で管理栄養士・登録販売者として活躍する守田仁美さんと川口明日菜さんに、ドラッグストアで販売されている葉酸サプリについて詳しく伺いました。
葉酸サプリ選びのポイントから管理栄養士のおすすめ商品紹介まで、妊活を考える女性や妊娠中の女性に役立つ情報たっぷりです。
ドラッグストアで人気の葉酸サプリ
── 20代~40代の女性を中心に、葉酸サプリの注目度が高まっています。店舗でも、葉酸サプリの購入者が増えているという実感はありますか?
守田:そうですね。じわじわ増えてきました。
購入者は20代~30代の妊婦さんが多いですが、男性のお客様に商品について尋ねられることも珍しくありません。
── 現在、各メーカーからさまざまな葉酸サプリが発売されています。こちらではどんな商品を扱っているのでしょうか?
川口:大きく分けると2タイプの葉酸サプリがあります。
ひとつは従来の錠剤タイプ、もうひとつは食べやすいお菓子風のもので、タブレットを噛み砕いて食べるチュアブルタイプやキャンディー、グミなど。
また、サプリメントではなく嗜好品になりますが、森永「Eお母さん」など、ノンカフェインのカフェオレやミルクティーで葉酸を補えるドリンクタイプもあります。
コーヒーがどうしてもやめられないという方は、このドリンクタイプが便利に使えます。
カフェインレスなので、妊娠中でコーヒーが飲めないというストレスを抑えながら必要な栄養素が補えますし、サプリとの併用も問題ありません。
── 実際に人気があるのはどのタイプですか?
守田:錠剤タイプの小林製薬「葉酸・鉄・カルシウム」の人気が高いと感じています。葉酸以外の栄養素も摂れる点が魅力です。
川口: 同じ錠剤タイプでは、ディアナチュラの「葉酸」「鉄・葉酸」も売れています。価格が手頃なので続けやすいようですね。
また、新発売のUHAグミサプリ「鉄・葉酸」は、CM展開をしている影響もあってすごく人気です。
── 最近、キャンディーやグミなど、お菓子風のサプリが増えてきましたね。錠剤タイプとお菓子風のサプリでは、成分などに違いはありますか?
川口:成分の違いはあまりありませんが、含まれる栄養素の数や量が違ってきます。
守田:お菓子風のタイプは味をつけている分、カロリーが高めで値段も割高になりますね。
川口:おいしくて食べやすいため摂取を忘れないというメリットはありますが、つわりがある時などはその味がかえって邪魔になり、錠剤タイプの方が良いということもあります。
管理栄養士が教える葉酸サプリの選び方
── 葉酸サプリを購入するときは、何に注目して選べば良いでしょう?
守田:まず、葉酸の配合量をしっかり確かめてください。
妊娠前から妊娠3カ月は、赤ちゃんの神経閉鎖障害のリスクを減らすために、ふだんの食事プラス400μgの葉酸を取るよう、厚生労働省も推奨しています。
川口:1日に 400μgが補える葉酸サプリかどうかが、選ぶ時のひとつの目安です。
また、1日1000μg以上の葉酸を摂ると過剰摂取になるので、いくつかのサプリメントを併用するよりも一つに絞って選んだ方が良いですね。
── 錠剤タイプとお菓子風サプリの併用も、過剰摂取になる可能性がありますか?
守田:あります。
グミサプリなどは、美味しいからといって一日の摂取目安量を越えて食べ過ぎてしまうと、いつのまにか1000μgを超えているということもあるので注意してください。
── 錠剤タイプでもお菓子風でも自分に合ったもので、毎日葉酸400μg摂れるものを一つ選べば良いということですね。
守田:そうですね。
サプリから葉酸を1日400μg摂ることが推奨されていますが、この推奨量は食事から1日当たり葉酸240μgを摂ることを前提としています。
もし食事からの葉酸摂取量が不足している方であれば、1日当たり480μgの葉酸が摂取できる商品を選んでいただくのも良いでしょう。
── 普段の食生活で、自分がどのくらい葉酸を摂れているかが分らない方も多いと思います。その場合は、ドラッグストアの管理栄養士さんに相談してもいいのでしょうか?
守田:もちろんです!ぜひ気軽に相談してみてください。
食事からの栄養摂取に不安がある方に私がおすすめしたいのは、ビタミンやミネラルをバランスよく配合している「マルチビタミン&ミネラル」というサプリです。
川口:ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足すると、葉酸が体内でうまく働かなくなってしまいます。
食事で栄養をバランスよく摂れていれば問題ありませんが、特にそれが難しくなるつわりの時期などは、「マルチビタミン&ミネラル」サプリの併用をするのがいいですね。
── 同じ葉酸サプリでも、商品によって値段に大きな差があるのはなぜですか?
川口:葉酸が働きやすくなる成分や、妊娠中に不足しやすい葉酸以外の栄養成分が配合されているかどうかで値段が違ってきます。
ネイチャーメイドやディアナチュラなどが安価なのは、成分が葉酸単体のため。反対に多くの栄養成分が配合されているサプリは、必然的に価格が高めとなる傾向にあります。
── スギ薬局オリジナルの葉酸サプリには、乳酸菌も入っていているのですね。
川口:2017年の1月末に発売されたもので、葉酸のほかにマルチビタミンや鉄のサプリもあります。
乳酸菌配合のサプリというところが最大の特徴で、腸内環境を整えることにより身体への成分の吸収を高めます。ビタミンB群と鉄分も入っているので、バランスも良いですよ。
妊活中&妊娠時期別のオススメ商品
── 妊活中から妊娠初期には、どんな葉酸サプリがおすすめですか?
川口:この時期は冷え対策が大切です。冷えは母体にも赤ちゃんにも悪いですし、妊娠しにくくなったりもしますから。
その点、ロート製薬「プレマ」は、マカや生姜で体を中から温めてくれる上に葉酸400μgも摂れるので良いですね。
守田:小林製薬「葉酸鉄カルシウム」もおすすめです。
葉酸400μgが摂れて、鉄、カルシウム、ビタミンも同時に摂れるのが魅力です。
川口:ピジョン「葉酸カルシウムプラス」や、ピジョン「かんでおいしい葉酸タブレットCaプラス」も妊活中から妊娠初期が良いですね。
守田:ピジョン「葉酸カルシウムプラス」は、妊娠に必要な葉酸・鉄分・カルシウムが入っている王道。
葉酸を使う時に必要なビタミンB群や、鉄の吸収を上げてくれるビタミンCも入っているので、これなら妊娠中期もいいでしょう。
── 妊活中、葉酸サプリ以外にも摂った方が良いサプリはありますか?
川口:妊活中であれば、先ほど紹介したマルチビタミンと、貧血だったら鉄分。あとは、冷え性を改善する食べ物を摂るようにしてください。
体を冷やすキュウリなどの夏野菜を避け、体を温める根菜や冬野菜を積極的に摂るのがおすすめ。
生姜のチューブや粉末を常備して、味噌汁や甘酒などの料理に加えると良いですよ。
食品だけではなく、金時生姜のサプリもあります。
── 妊娠中期・妊娠後期におすすめの葉酸サプリについても教えてください。
守田:中期・後期はカルシウムと鉄分が多く配合された葉酸サプリがおすすめです。
この時期は胎児の骨を作るため、カルシウム不足になるとお母さんの骨密度ががくんと下がってしまいますし、赤ちゃんに血液も送ってあげなければなりませんから鉄分も必要。
具体的な商品を挙げるとすると、ピジョン「葉酸カルシウムプラス」、wakodo「マタニティーチャージ鉄プラス」、wakodo「授乳ママチャージ」などです。
── 出産後の授乳期におすすめの葉酸サプリもあるんですね。
川口:wakodo「授乳ママチャージ」は、赤ちゃんの脳細胞や神経を作るDHAや、ラクトフェリンが入っていておすすめです。
授乳期間中なら、ピジョン「母乳パワープラス」もピッタリです。
また、wakodo「葉酸キャンディ」はマタニティ&ママ用なので、初期から授乳期に向けてずっと食べられますが、少し値段が高めですね。
錠剤が苦手だったり、つわりでキャンディーの方が口にしやすいという方にはおすすめです。
── 葉酸サプリの種類があまりに多くて、迷う方も多いようです。
川口:まず葉酸の配合量を確かめたうえで、その他の成分、値段、食べやすさを比べ、その方が毎日続けられるものを選んでほしいと思います。
自分で判断するのが難しいという方は、お店で相談するのがベスト。
ネットでの購入と、ドラッグストアでの購入の違いもここにあります。
守田:ドラッグストアには薬剤師がいますから、薬との飲み合わせについてもしっかり聞くことができます。
サプリメントと薬の飲み合わせに注意
── サプリは食品だから薬との飲み合わせは気にしなくてよいとも聞きますが、実際は違うのでしょうか?
川口:持病の薬などによっては飲み合わせがダメなサプリもありますので、事前に相談してほしいですね。
また、妊娠高血圧や肥満の方、その傾向がある方は、カロリーのあるキャンディータイプは控えたほうが良いなど、その方の状態によって勧められないサプリもあります。
── ネットの口コミでは、ドラッグストアで販売されているサプリに対して、添加物や値段が安いことを心配する声もあります。その辺りはいかがですか?
川口:現場でそうした危険性や問題を感じたことはありません。
国から認められている食品添加物も嫌う方はいますが、添加物はとても少なくなっていて、どのメーカーも着色料は食品由来のもので、香料不使用が基本です。
そして、成分は合成より天然成分のほうが良いとは限らず、特に葉酸は体への吸収率が高い合成成分のモノグルタミン酸が国から推奨されています。
── ドラッグストアに並んでいる手頃な葉酸サプリより、ネット販売でしか扱っていない高価な葉酸サプリのほうが効果的ということはありませんか?
川口:効果は葉酸の量と、サポートする成分の配合によります。どこで購入するかは関係ありませんので、その方の状況に合う購入方法を選んでください。
価格の違いに関しては、メーカーの規模にもよります。大量生産して大量販売できるところであれば安くできますし、海外で作ったものを安く仕入れて安く売るというケースもあります。
スギ薬局で気軽に相談しよう
── 妊活中や妊娠中のサプリについて、スギ薬局では常に相談できる方が店頭にいますか?
守田:はい。店長、登録販売者、薬剤師のほか、管理栄養士もいますので、相談にはいつでも対応できます。
管理栄養士でしたらサプリメントを含め、食生活に関するアドバイスも可能。
ピンクの制服を目印にぜひ声をかけてください。
── スギ薬局全店舗のうち、管理栄養士はどのくらいの割合で配置されているのですか?
川口:2017年度は約150名を新規採用し、合計300名以上が在籍しております。2019年度中には4割の店舗に配置することを目標としています。
── お店で相談することに慣れていない若い方もたくさんいると聞きます。
守田:ネットで情報収集しているようですね。
しかし、自分がどういう状態かが一人では把握できないことも多いので、客観的にアドバイスできるのがドラッグストアの良いところだと考えています。
その人のその時の状態に合った商品が一番ですから。
実際、相談していただい方には、その後も長くサポートさせていただいています。今は妊娠の初期だからこうして、中期、後期はこうして…とか。
── こうしたサポートは、いろいろと心配な時期にすごく心強いですね。サプリを購入後、ちょっと合わなかったという場合や、飲み方についてなどの相談もできますか?
守田:もちろん。むしろ、こちらから飲んだ後の状況を確認したいくらいです。
川口:つわりや赤ちゃんのお世話で来店が大変でしたら、電話でもよいので、気になることはぜひご相談いただきたいです。
今後は管理栄養士による食事・運動のアドバイスや、ビューティアドバイザーによる美容相談などを通じ、地域の「かかりつけドラッグストア」として幅広い健康サポートを進めていく計画とのこと。
管理栄養士の健康相談会に併せて、葉酸サプリの試食なども予定しているとのことなので、今後の展開にも注目です。
記事を書いた人

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