なぜ厚生労働省が推奨?葉酸の食べ物摂取とサプリ摂取の違いとは

食事摂取とサプリ摂取の違いを2人の博士に質問!厚生労働省はなぜ葉酸サプリメントの摂取を推奨したのか、なぜ食べ物だけではダメなのかを説明します。胎児の健やかな発育の為に効率的な摂取を!
葉酸
源伸介
源伸介 (みなもと しんすけ)
東大阪大学短期大学部教授

厚生労働省は、妊活中の女性や妊婦への葉酸サプリ摂取を推奨しています。
食べ物ではなくサプリからの葉酸摂取を推奨した背景には、いったいどんな理由があったのでしょうか。

そこで、食べ物からの摂取とサプリメントからの摂取は何が違うのか、なぜ食事だけではダメなのかを2人の専門家に質問。

学術博士として葉酸の栄養学を熟知されている源教授、薬学博士として葉酸サプリメントの効果を熟知されている篠塚教授に、それぞれのプロの見解を伺いました。

普通の食事だけでは摂りにくい葉酸

葉酸が体に必要な栄養素で、赤ちゃんを産み育てるうえで大切なビタミンだということを知っていても、食事だけで摂取するのは難しい所もあります。

まず食品に含まれる葉酸量は、栄養士などの専門職に就いている人でないと把握しにくいのが現実です。

そのため、どのぐらいが適量かが毎日の食事ごとにはわかりにくく、働きながらの妊活中や妊婦などの場合、葉酸摂取量を意識して日々の食事を作るのはとても大変です。
グラノーラの画像
そこで取り入れやすいのが、栄養補助食品です。

シリアルなどには葉酸の表記がされているものもあり、最近ではソイジョイなどのバランス栄養食や野菜ジュースパックといったものが便利です。

また、お米に加える添加米もあり、海外ではパンやパスタの葉酸量を強化したものもあります。

なかでも葉酸を添加した餌を食べた鶏が生んだ「葉酸たまご」は、血液中の葉酸成分と同じものということもあり、身体での利用されやすさは特筆ものです。

食品とサプリメントの葉酸形成の違い

食品に比べて調理の必要がないサプリメントは、やはり手軽で便利です。
また、吸収されやすい性質も魅力。
その理由は“ポリ”と“モノ”の違いにあります。
ポリとモノの違いポリというのは「たくさん」という意味で、野菜にあるのがプテロイルポリグルタミン酸。
これはグルタミン酸というアミノ酸がたくさんくっついている状態で、消化・分解しないと吸収されません。
なので、野菜から摂ってもすぐには身体の中には吸収されにくいのです。

それに対して、モノというのは「ひとつ」という意味で、サプリメントにあるのがプテロイルモノグルタミン酸。

身体の中で核酸を作るには、まずそれらを消化してから吸収し、テトラヒドロ葉酸に作り替えます、そうしないと、栄養成分が体内で働けません。

これが補酵素の形で、何段階かのステップを経てようやく身体の中で働ける形に変わるのです。
なので、サプリメントの方が素早く吸収され、利用されやすいのです。

ただし取り入れやすい分、一日飲み忘れたからと一度に大量にまとめ飲みなどしてしまうと、肝臓がわるくなるという危険な事態も起こりやすいので、その点には注意が必要です。

サプリは確実に効率よく摂取できる

栄養摂取の観点からいえば、サプリメントの方が確実性と効率性は高いといえます。

ですが基本はやはり食事なので、サプリメントは食事で足りない分を補う感覚で活用してください。
サプリメントの画像ただし、妊活・妊娠中の人は食事だけでは必要量が摂りきれない可能性が高いので、胎児の健やかな発育のためにも、サプリメントで補う方が確実です。

ですから、厚生労働省も葉酸サプリメントの摂取を推奨していますし、葉酸はリスク低減表示特定保健用食品にもなっています。

吸収率の個人差をサプリでカバー

葉酸は食事で摂れると言っても、その確実な摂取量がわからないことも多々。
一般的には、食品中の葉酸は全体の50%程度が消化吸収され、身体に利用されると考えられています。

なので、食材の含有量がそのまま体内へと摂取できるかというと難しいと言えます。
個人によっても消化吸収にバラつきがあります。

さらに、水溶性で熱や光に弱いこともあり、調理法によって葉酸量は大きく違ってきます。
効率的に摂取できる人はいいのですが、吸収の悪い人はサプリメントで補ったほうが安心です。

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葉酸はビタミンB郡の一種

葉酸はビタミンB郡のひとつで、ほうれん草やブロッコリーなどの葉物野菜や濃緑色野菜に多く含まれています。

近年ではビタミンAやビタミンC、ビタミンDといった他のビタミン類やミネラルと深くかかわりながら代謝されることがわかっています。

葉酸単体では体に吸収されにくいので、マルチビタミンなどのサプリメントでいろいろなビタミンと一緒に摂取するのが理想的。

葉酸は鉄分と同じように造血作用があるので、不足すると貧血を招くことがわかっています。
また、妊娠計画時から葉酸を摂取することで妊娠初期の胎児奇形リスクを軽減できます。

葉酸の摂取量の目安

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2015年版」をもとに、妊活中から妊娠期の葉酸摂取量の目安をご紹介します。

葉酸の摂取上限量

食品から摂れる天然由来の葉酸に関しての上限量は、設定されていません。
その理由は、食品からの葉酸は体内で代謝されにくく個人ごとに吸収効率が異なるからです。

さらに、水溶性ビタミンであることから調理過程での損失が大きく、体外へ排出されやすい性質があることも要因です。

しかし、サプリメントに使われている合成葉酸は過剰摂取を防ぐため、摂取上限量を1000μg/日と定めています。

妊活中の摂取目安

妊娠を希望する18歳以上の女性は、多種多様な野菜から天然由来の葉酸を摂取している前提で食事から240μg、さらにサプリメントから1日あたり400μg摂取すると、神経管閉塞障害の発症リスク低減が期待できるとされています。

胎児の中枢神経は妊娠7週未満にできることから、妊娠が発覚したときにはすでに遅い場合があるので、妊娠を希望する女性は少なくとも1ヶ月以上前からの摂取を推奨しています。

大切なのは、妊娠準備期に体内の葉酸濃度を十分な量にしておくことです。

妊娠中の摂取目安

妊娠期はバランスの良い食事を心がけ、通常の推奨量(1日あたり240μg)の倍の葉酸摂取量とすることが推奨されています。
つまり、妊婦は1日480μgの葉酸を毎日摂取することが必要。

この量は食事から摂れる天然葉酸の数値だけであり、サプリメントでさらに400μg摂取することを厚生労働省は推奨しています。

葉酸の多い食品例

【野菜】100gあたりの量
えだまめ(ゆで):260μg
ほうれん草(生):210μg
なばな(ゆで):190μg
ブロッコリー(ゆで):120μg
オクラ:110μg
小松菜(生):110μg
とうもろこし(ゆで):86μg

【果物】100gあたりの量
いちご:90μg
アボカド:84μg
マンゴー:84μg

【豆類】100gあたりの量
納豆:120μg
ひよこまめ(ゆで):110μg
きなこ:250μg
参照:日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
日本食品標準成分表 PDF(日本語版):文部科学省 1-0206 野菜類(正誤表8反映1012)

まとめ

サプリメントで葉酸を摂った方がいいと言われても、薬のようなイメージから摂取をためらう人も多いと思います。
今まで日本では神経系障害の出生率があまり高くなかったこともあり、葉酸摂取についてはあまり言われてきませんでした。

しかし、1974年は1万人に2人未満の割合だった二分脊椎症の出生率は、2010年には1万人に約6人と増加傾向にあります。
それは食生活の欧米化が進んだことで、豊富に食べられてきた野菜や豆類の摂取量が減ったことと関係しています。

天然の栄養から不足分を補うことが理想ですが、仕事と家庭を両立させながら栄養に気を配ることは女性にとって大きな負担となるでしょう。

そんな時、栄養機能食品を上手に取り入れる方が調理の負担や栄養を考えるストレスが減るので、妊活中の女性や妊婦の方にとっては大きなメリットとなります。

葉酸サプリメントも年々進化していて、天然成分だけでつくられた製品や、ビタミン・ミネラル・カルシウムなどが配合されているものまでたくさんの種類が販売されているので、納得のいく商品を見つけてください。

大切なことは元気な赤ちゃんを産める体づくりなので、葉酸サプリメントを取り入れて栄養不足の心配を取り除きましょう。

専門用語解説

核酸
新しい細胞が作られるときの元となるのが核酸です。
核酸はDNAとRNAの2種類があり、遺伝子情報などがつまった人間の体を作るときに欠かせないものです。

補酵素
補酵素とは酵素の働きを助ける役割の栄養素のこと。
酵素はたんぱく質からできており、食べ物酵素や消化酵素、代謝酵素などにわかれます。

酵素単体ではほとんど機能しないので、補酵素であるビタミン類やミネラル類の助けがいります。
また、補酵素単体でも働くことができないので、両方バランスよく摂取する必要性があります。

リスク低減表示特定保健用食品
特定保健用食品(トクホ)の中の一種で、パッケージや商品情報に疾病リスクが減らせると表示できます。
現在、リスク低減表示特定保健用食品に認定されているものは、葉酸とカルシウムのみ。

葉酸には、神経管閉鎖障害発症リスク低減効果が認められています。

おすすめの葉酸サプリ&妊娠希望女性必見の比較ポイントはコレ!

記事を書いた人

源伸介
東大阪大学短期大学部教授
源伸介 (みなもと しんすけ)
東大阪大学短期大学部教授 源伸介(みなもと しんすけ) 栄養学の観点から『葉酸』の認知向上や摂取推奨活動を行い、『葉酸たまご』など食品の生理機能の研究・開発実績のある学術博士。
篠塚和正
武庫川女子大学教授
篠塚和正 (しのづか かずまさ)
薬学博士であり薬剤師やサプリメントアドバイザーの資格を持つ、薬学のエキスパート。健康食品についての研究も行う専門家です。
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