葉酸でつわりが楽になる?つわりがおきる原因と飲めない時の対処法
つわりと葉酸の効果
多くの妊婦さんが経験するつわりは、早い人で妊娠5~6週から始まり、12~16週くらいまで続きます。
10週前後がピークで、症状として個人差があるものの、吐き気や嘔吐、食欲低下などが多く見られます。
症状によっては、このつわりの辛さを軽減してくれるとして葉酸が役立つことがあります。
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つわりの原因
つわりを引き起こす原因というのは実は未だ完全には解明されていません。
妊娠した女性の体内ではさまざまな変化が生じますが、その変化に体が適応できずにつわりのような症状としてあらわれるのではないかといわれています。
主に知られている説として、以下のようなものがあります。
ホルモンバランスの変化によるという説
受精卵が子宮内膜に着床するとhcg(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモン物質が大量に分泌されます。
hcgは妊娠直後から10週にかけて増加し、16週前後に分泌量は安定します。
このhcgの分泌量が急激に増加することがつわりの原因なのではないか、というのが有力な説です。
またプロゲステロンという女性ホルモンの分泌量も急激に増加します。
すると体内の代謝に変化が生じ、自律神経のバランスが乱れて吐き気といった症状があらわれるのです。
一種のアレルギー反応という説
赤ちゃんを授かった女性の体は胎児を誤って異物として認識してしまうため、それを排除しようとしてアレルギー症状を引き起こすという説もあります。
自律神経の乱れが原因という説
自律神経というのは体温の調節、睡眠、食欲といった自らの意思ではコントロールできない本能的な欲求にかかわっています。
この自律神経のバランスが妊娠をきっかけにして乱れることで、吐き気や倦怠感といった症状があわられるという説もあります。
妊娠中は体が酸性になるからという説
酸性に傾いた母体をアルカリ性に戻すために、体が吐き気や嘔吐というかたちで老廃物を排出しようとするのがつわりではないか、という説もあります。
妊娠した女性の体は酸性になりやすいといわれていますが、これはおなかの赤ちゃんにとって望ましい状態ではありません。
重要な細胞分裂が活発に行われている妊娠10週目までに母体が酸性状態だと、染色体異常が起こったり流産を引き起こすおそれがあるからです。
このため妊娠初期の妊婦さんの体はアルカリ性である必要があるため、体内で酸性からアルカリ性に戻そうというはたらきが起こるということです。
無理をせず体を休めるようにという体の声だという説
流産の危険性も高い妊娠初期に大切な赤ちゃんと自らの体をいたわるよう、つわりという現象を起こして安静をはかっているのでは、という説もあります。
葉酸を摂取するとつわりが軽くなるの?
胎児の先天性の異常リスク軽減のために妊娠初期における摂取の重要性が広く知られている葉酸ですが、つわりを軽減してくれる効果があることも分かっています。
ただし、人によってつわりの時期や重さ、症状が異なるため、すべての人のつわりに葉酸が効果的とは言えません。
自律神経の乱れを整えるはたらき
つわりには自律神経の乱れが影響しているともいわれていますが、葉酸には自律神経のバランスを正常化するはたらきがあることが分かっています。
葉酸とビタミンB6は、脳内で分泌されるセロトニンの生成に深く関与しています。
別名幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンには精神をリラックスさせ安定化するはたらきがあるので、葉酸を摂取することで自律神経が整ってつわりの症状が軽くなるのです。
葉酸サプリに含まれるビタミンB6
ビタミンB6は前述のとおり、葉酸と一緒に摂ることでセロトニンの分泌を促して自律神経を正常化してくれます。
つわりにおける吐き気は、トリプトファンという必須アミノ酸の一種が代謝不良を起こすことが原因の一つとされていますが、ビタミンB6にはこの代謝異常を改善してくれる作用があります。
このため吐き気が軽減できる効果が期待でき、乗り物酔い止め薬にも含まれています。
葉酸サプリのほとんどがビタミンB6を含んでおり、米国産婦人科学会(ACOG)ではつわりに対する治療としてビタミンB6の摂取を推奨しています。
体内を酸性からアルカリ性に
つわりの原因の一つといわれているのが、妊婦さんの体の酸性化です。
酸性化した体をアルカリ性に戻すために嘔吐などで老廃物を排出しようとするわけです。
ホモシステインという物質が大量に生み出す活性酸素により体内が酸化してしまうと、老廃物を排出するメチオニンという物質が生成されにくくなります。
葉酸にはホモシステインのはたらきを抑制してメチオニン生成のサポート役となるはたらきがあるため、葉酸を摂取することで体の酸性化を防ぎアルカリ性に戻してくれます。
体がアルカリ性に傾けば無理に老廃物を排出する必要がなくなり、吐き気などが軽減されるのです。
つわりで葉酸サプリが飲めない場合はどうしたらいい?
このように葉酸サプリは胎児の成長だけでなく、つわりの軽減にも嬉しい効果があるのですが、つわりの時期にはサプリメントを口にするのも辛いという人も少なくありません。
色々なものに過敏になるこの時期はサプリ独特の味やにおいが負担になることも多いでしょう。
そんなときには無理にサプリを飲む必要はなく、体調の良いときに用量を守って摂るようにすれば大丈夫です。
できるだけ空腹時をさけて飲むようにするほか、次のような工夫をするだけで飲みやすく感じられることもあります。
- さっぱりした果物などを食べてから飲む
- ゼリーやヨーグルトと一緒に飲む
- 小さく砕いて粒子状にしてから飲む
(サプリによっては形状が変わることで効果が薄れる場合もあるので注意が必要)
つわりの時期におすすめの葉酸サプリは?
葉酸は赤ちゃんの先天性異常の予防に加え、葉酸の造血機能によって妊婦さんに多い貧血対策にも有効なので、妊娠初期には必須とされる栄養素です。
ただ葉酸は水溶性で熱にも弱いので普通の食事で摂るだけでは効率が悪く、なかなか必要量を補いきれません。
そのためサプリメントを活用して体内吸収率にすぐれた合成葉酸を摂取する必要があるのです。
野菜や果物など栄養バランスのとれた食生活による天然葉酸の摂取を心がけつつ、サプリの助けを借りて必要量をしっかりクリアすることが大切になります。
厚生労働省による葉酸の推奨量は、妊娠前から妊娠初期の女性で合成葉酸400μg/日となっていますので、サプリを選ぶときには葉酸の含有量をきちんとチェックしましょう。
また葉酸と共につわりの症状を軽減してくれるビタミンB6がしっかりと含まれているものがおすすめです。
さらにサプリの好みには個人差がありますが、においが気にならない、粒が小さいなど、自分が飲みやすいものを選ぶとよいでしょう。
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葉酸サプリの摂取でつわりがひどくなることもある?
葉酸サプリの大半は健康食品であり副作用はないとされています。
ただ中にはサプリを摂取すると吐き気をもよおしてしまうなど、かえってつわりの症状が悪化したように感じる人がいることも事実です。
その原因としては添加物やアレルギーが考えられます。
サプリの中の添加物によって影響が出る場合も
葉酸サプリの中にはさまざまな添加物が含まれていることがあります。
これらの添加物の一部は錠剤の成型に使われるものなど、製造過程に必要かつ安全なものです。
しかし保存料や合成着色料などの添加物は、デリケートな母体に吐き気を起こさせることがあるほか、胎児の成長にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
必ずしも無添加である必要はありませんが、気になる場合はサプリを選ぶときに添加物が必要以上に含まれていないか、化学合成の添加物が含まれていないかといった点をチェックしましょう。
アレルギーに注意
葉酸サプリはさまざまな野菜や果物などを原料としています。
元々これらの原料に食物アレルギーを持っている人だと、サプリの摂取によってアレルギー反応が起こり吐き気をもよおしてしまう可能性があります。
アレルギー持ちのママは、まず成分をしっかり確認することが重要です。
つわりは赤ちゃんを守ってくれるもの、そして無事に生まれてくる上での準備段階でもあります。
ママたちにとっては辛いつわりですが、規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけ、葉酸サプリを上手に活用しながらこの時期を乗り切りましょう。
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