不妊治療にかかる費用が知りたい!治療別の相場や助成金制度とは

不妊治療を考える時に気になる「費用」の問題について解説します。 不妊治療のステップとともに、治療内容別の費用の相場や助成金制度の最新情報に加え、少しでも家計の負担を抑えるための社会制度を詳しく紹介。 助成金制度を受けられる条件等についても確認を。
妊娠・出産
不妊治療 費用

女性の社会進出が進み結婚年齢が上昇の一途をたどる中、不妊に悩む夫婦もまた増えています。
不妊治療に臨む方も増えており、厚生労働省によると平成22年の体外受精件数は24万件を超えると報告されています。
参照元:厚生労働省「不妊治療をめぐる現状」PDF

不妊治療は、心身のストレスと共に、経済的な負担も大きいと言われています。
「不妊治療に挑戦してみたいけれどお金がかかりそう」と不安に思う方も少なくありません。
そして不妊治療と一口に言ってもその方法はさまざまで、費用も治療内容によって大きく異なります。
また、平成28年から不妊治療への助成金制度が改正され、助成回数や年齢制限などが大きく変わりました。
今回は不妊治療の種類とおおまかな費用の相場、助成金制度などについて解説していきます。

不妊治療の種類と費用

治療までの流れ

まずは検査から

日本産婦人科学会は、不妊の定義を以下のように提示。

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。

引用元:日本産科婦人科学会

日本ではこの定義を元として1年間妊娠しない場合、不妊と診断されます。
医療機関や受診者の状況などにもよりますが、一般的に不妊治療はまず負担の軽いものから始まり、効果が確認されなければ段階的に高度医療へとすすむステップアップ方式を採用。
不妊にはさまざまな要因が考えられるため、不妊治療を始めるには、まず詳しい検査を行い、妊娠を望む夫婦が妊娠可能か否か、また不妊の原因の有無などを調べる必要があります。

検査にかかる期間は人によって異なりますが、女性の生理周期などに合わせて数回行われることが多く、1カ月から3カ月程度かかります。
通常、検査は保険の適用範囲内なので本人負担は実費の3割で済むため、1回の検査費用は1万円以内におさまることがほとんどです。

タイミング法 人工授精

タイミング法

男性側に無精子症などの原因がない場合やはっきりとした理由がわからないときに、最初の不妊対策として行われるのが「タイミング法」です。
タイミング法とは、基礎体温表や超音波検査などを通じて排卵日を予測し、それに合わせて性行為を行うもの。
医療行為を伴わない自然妊娠なので、費用も保険適用範囲内の診察や検査代だけで済みます。

1カ月あたりの費用相場は1万円以下。
中には排卵誘発剤を投与し、それに合わせたタイミング法を行うこともありますが、それでも費用が激増することはありません。
タイミング法を約半年続けても妊娠が確認されないと次のステップにすすむことが多くなっています。

人工受精

タイミング法で成果が見られない場合や、男性側に不妊の原因があると考えられる場合は、「人工授精」にすすみます。
人工授精は女性側の排卵日を予測し、そのタイミングに合わせて運動性の高い精子を専用器具で子宮に直接注入する方法です。

通常よりも卵子にたどり着くまでの経路が短いことから妊娠しやすくなりますが、その後の受精や着床といったプロセスは自然妊娠と変わりません。
人工授精は検査や診察以外の治療は保険適用外となり、1回あたりの費用は1万円から3万円程度。

医療機関によっても変わりますし、検査回数などが増えれば費用も加算されます。
人工授精を5回以上行っても妊娠が確認されない場合は人工授精の効果が薄いと考えられるため、次の段階にすすむことを検討します。

体外受精 顕微授精

体外受精

人工授精では妊娠がむずかしいと判断されたときや妻の年齢が高く、長期間にわたる治療の効果が期待できない場合は「体外受精」にすすみます。
体外受精は、採取した精子と卵子を培養液の中で受精させる方法で、胚(受精卵)がある程度まで成長した段階で子宮に戻します。
これを「胚移植」と呼びます。

採取したばかりの胚を使う「新鮮胚移植」と、採取した胚を一度冷凍しておいて子宮の状態の良いときに戻す「冷凍胚移植」があります。
1回あたりの費用は、培養期間や医療機関によって価格差がありますが、30万から50万円程度と単位が1桁上昇。

これまでは保険の対象だった診察や検査など、治療にかかわるすべての行為が保険対象外となるため、受診者の負担が増えることになります。
採卵の回数や投薬内容など治療法によっては100万円近くなることも。
体外受精には専門施設やスタッフが必要になるなど、高度な医療技術が必要になるため費用が高額になるのです。

顕微授精

培養液の中で卵子と精子が出会うといった自然な形の受精が起こらない場合、顕微鏡の下で精子を直接卵子に注入して受精させる「顕微授精」が行われることがあります。
顕微授精は体外受精の1種ですが、自然な受精がむずかしい無精子症(精液に精子が含まれない)の男性でも、精巣から直接採取した精子を使用することで妊娠が可能に。
より医療が関与する度合いが高くなり、さらに高度な技術を要するため、費用は通常の体外受精よりも5万から10万円ほど高額になります。

不妊治療の助成金制度について

制度全般について

助成金

少子化が社会問題となる中、不妊治療に臨む夫婦の負担軽減のための助成金制度も整備されています。
助成金の支給対象となるのは、合計所得金額が730万円未満の夫婦が指定医療機関で「体外受精」と「顕微授精」の二つ(「特定不妊治療」と総称)に臨んだ場合。
厚生労働省は特定不妊治療以外の治療法では妊娠の可能性がない、または極めて低いと診断された夫婦を対象に、高額な医療費がかかる特定不妊治療費の一部を補助すると定めています。
参照元:厚生労働省”不妊に悩む夫婦への支援について”

特定不妊治療を行う場合、治療1回あたりの支給金額は15万円まで。初回に限り30万円までが支給されます。
精子を精巣から取り出すといった手術を行う場合は、さらに15万円加算されます。
ただし、凍結胚移植や治療の中断など採卵が伴わない場合の支給金額は、初回でも最大7万5000円に。

平成28年度からは年齢制限なども

助成金 制限

特定不妊治療の助成金制度は平成28年度に大幅な改正が加えられ、主に妻の年齢と助成可能回数についての規定が変わりました。
平成25年度までは特に年齢制限はありませんでしたが、現行の制度では助成金支給は治療開始時に妻が43歳未満であることが条件となります。

通算の助成回数も年齢を問わず10回まで可能でしたが、現行の制度では妻の年齢が39歳未満の場合43歳までの間に通算6回、妻が40歳以上なら同じく43歳まで最大3回と規定されています。
その分、年間の支給回数制限が撤廃となり、また夫に手術が必要な場合の特別支給が加わるなど、より現実的な不妊治療に助成金を手厚く支給する方針となりました。

また、厚生労働省が定める国としての助成金制度に加え、中には独自の制度をもつ地方自治体もあります。
体外受精と顕微授精だけでなく人工授精などもサポートしてくれるところもあるので、助成金を望む場合は住民票のある地方自治体に確認してみましょう。

どのように申請すればいいの?

申請期限
特定不妊治療の助成金を受給するためには、自分で各都道府県指定の場所もしくは市役所(中核市や政令指定都市のみ)に申請する必要があります。
申請期限は、原則として治療終了日が属する年度内の3月末日(年度末間際に治療終了した場合は延長されることも)。

助成金の支給は治療終了後となるため、いったんは全額を自己負担することになります。
必要書類の詳細は自治体によって変わりますが、申請書や医療機関発行の証明書、治療費の領収書および明細書などが一般的です。

不妊治療の医療費控除と高額療養費還付制度

医療費控除

1世帯当たりの医療費が1年間で10万円を超えると、医療費控除の対象となります。
医療費控除を申告すると、所得から10万円を超えた金額分が差し引かれるため、税金が安くなります。
税制面でいう医療費とは保険の対象範囲内の医療費に加え、それに伴う検査代や薬代、また病院に行く際の交通費も含まれます。

ただし、体外受精や顕微授精など100%自己負担となるものについては除外されるので注意してください。
さらに、社会保険の面でも1カ月10万円を超えた分の医療費還付制度もありますので、加入する公的医療保険に確認を。

支援制度をうまく使って負担を減らそう

子供を望む夫婦にとって、不妊治療は将来の選択肢を増やすための1つの手段です。
2016年には民間の保険会社も不妊治療向けの保険を導入可能となるなど、支援サービス多様化にも期待が高まります。
不妊治療は心身ともにストレスもあるかと思いますが、費用面では支援制度をうまく使って、「今」を大切に「未来」へのステップを重ねていきましょう。

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記事を書いた人

isshi
・通訳案内士(英語で唯一の国家資格) ・英日翻訳者として数々の海外webニュース翻訳も手掛る
不妊治療 費用
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