出産をトラウマにしない!突然の帝王切開での対処法と決断方法

出産がトラウマになってしまい、二人目の出産を躊躇している方への打開策を、ヒプノセラピストの宮崎ますみ先生が紹介。 初めての出産をトラウマ体験にしないためにも、「ヒプノ赤ちゃん」のメソッドを活用した、緊急時のスムーズな対処法をチェックしましょう。
妊娠・出産

出産を経験した人の中には、希望に反して急に帝王切開されたり吸引分娩になったり、大量に出血したりなどで、お産がトラウマになってしまっている人もいます。
二人目の妊娠・出産を希望しているけれど、過去の体験から、「もう出産は無理かも…」などと悩んでいる人も少なくありません。
そこで、出産によるトラウマ体験で悩んでいる方のために、ヒプノセラピー(催眠療法)のメソッドを使った対処法や打開策を紹介します。

過去のトラウマ体験と向き合う

トラウマの原因

誰もがそれぞれの経験を、「あれはこういう出来事だった」と主観で納得させています。
しかし、たとえば緊急帝王切開になったとしても吸引分娩や鉗子分娩になったとしても、それをちゃんと落とし込めてない自分や、消化しきれていない自分が残っていたりすると、次の出産に対して恐怖を抱くことになります。
「また同じような出産になってしまったらどうしよう…」というような不安を抱えることになるのです。

このようなケースでは、その経験を通して、何がそのような状況を招いたんだろうということを客観的に考えると良いでしょう。
帝王切開がいけない、吸引分娩が悪いなど、その出来事自体の良し悪しではなく、その出来事が起こった理由は何だったのかということを考えてみてください。
何よりも妊娠中から、自分自身が積極的に自分の出産に取り組んでいたかということも振り返ってみてください。

例えば、「ものすごい緊張状態だったし、出産に対する準備が足りなかったからかな」「もうちょっとスクワットなどの運動をして、豊かな出産をするために体を整えておけばよかったな」などというように、人によっていろいろな思いがわいてくるはずです。
過去の経験と同じことを繰り返すのではないかという不安だけが、頭の中でグルグル回ってばかりいる状況は良くありません。
何が原因でこうなったのか、次に妊娠したときはどんなふうに出産したいのかに意識を向けるようにすると、良い結果が得られます。

医療行為が必要なケースもある

医療処置も必要

ヒプノバース「ヒプノ赤ちゃん」のメソッドは、自然出産能力を引き出すプログラムですが、決して分娩における医療の介入を否定するものではありません。
場合によっては、帝王切開や吸引分娩などの医療処置が本当に必要な状況に陥ることもあります。
医師や看護師・助産師など、病院のスタッフの適切な処置によって、母子が命を落とすケースは年々減っています。
それはもう現代医療の恩恵ですので、それを否定するつもりは全くありません。
ただし、医療者側の都合で早く仕事を終わらせるために陣痛促進剤を使うなど、不必要にその介入が入るのは避けたいという思いはあります。
何かとコンビニエントな現代人の思考優先のあり方が、出産シーンにまで侵食しているのです。
しかし、出産は野性的で本能的な営みなのです。

妊婦自身が恐怖を抱えて緊張状態でお産に臨むと、交感神経が優位になり、消化器系や生殖器系、免疫系の働きを促す副交感神経は抑えられてしまいます。
子宮に十分な酸素と血液が行かなくなり、進行障害や様々なトラブルに発展するリスクが高まってしまうのです。
安産を望むなら、穏やかにリラックスしていることが何よりも大切です。
女性の体は本来動物と同じように、穏やかに快適に出産する潜在的な能力を持っているのです。
ママが恐怖を抱えリラックスできていない状況のまま分娩過程に入ると、悪循環にはまってしまう状況を自ら作り上げてしまいかねません。
根底にあるリラックスできない原因を解放して、次はどうしたらいいのかを考えていきましょう。

予想外の出産体験の受け入れ方

自然分娩を望んでいたにも関わらず、緊急搬送されて大学病院で帝王切開になったとしても、ヒプノではそのこと自体を不成功とはしません。
どんな状況に陥ったとしても、そこで自分自身の意識をちゃんと管理・コントロールできていて、自分が主体なのだという意識を持って帝王切開や鉗子分娩などを受け入れた妊婦さんは、心の傷が浅くてすみます。
前向きな気持ちで臨んだ出産経験には、どんな出産方法であろうと二重丸をつけていいのです。

「帝王切開で出産したことをあまり人に言えない」「経膣分娩できなかったことに挫折感がある」など、自然分娩が叶わなかったことに負い目を感じる女性からの相談も少なくありません。
そんな悩みを抱える人たちに伝えたいのは、その方法自体が悪いわけではないということ。
希望と違った出産体験を、どのように受け入れるかがポイントにとなるのです。

出産で本当に大切なこと

どんな出産にしたいかというビジョンを、潜在意識下に植え込んだつもりになっていても、実際にはイメージ通りにいかなかったという方もいます。
それは潜在出産能力に委ねたのではなく、思考で管理しようとしたにすぎず、結果にとらわれて「ああ、やっぱりダメだった…」と自分を責めてしまう人もいます。
そんな方に思い出してもらいたいのは、それでも、恐怖や不安感を払いのけようと努力し、安産になるように心と体の準備を整え、その時の自分なりに最善を尽くしたということです。

その後に続く子育ても人生も、全てが思い通りにいくわけではありません。
母親というのは、その都度臨機応変に対応していく柔軟性も養われるものだと思います。結果がどうであれ、その経験を受け入れて次につなげる姿勢は、子育てにおいてとても大切なことだと私は考えるのです。

「ヒプノ赤ちゃん」の活用法

リラックスする

流されない出産をする

お母さんやお子さんの命に影響を及ぼすような緊急を要する状況下では、担当医もとりあえずの手短な説明とる場合があり、通常ならされるべきインフォームドコンセントも十分ではありません。
医師とのコミュニケーションが十分にとれて納得したからではなく、先生の説明に対して不信感を抱く暇もないうちに病院側のペースに流されてしまうこともあります。

あくまで、出産は自分が主役なんだという視点に立ち、落ち着いてリラックスして向き合うことが大切です。
そうすると予期せぬ状況に陥った時でも、「どうしても、帝王切開が必要ですか?」「今、本当に促進剤が必要な状態なのでしょうか?」などと、立ち止まって必要なコミュニケーションを取ることが出来るでしょう。
患者やその家族は、お医者さんや看護士さんと対等な立場で、正しい情報を得る権利を与えられているのです。

赤ちゃんとの対話を行う

ヒプノ赤ちゃんメソッドの場合は、きちんと医師や看護師とコミュニケーションをとって納得した上で、「じゃあ、ちょっと2分ください」と言って、少しだけ時間をもらいましょう。
そして、その2分間で、自分のお腹の中の子どもと自分の体とにちょっと相談してみます。
妊婦さんは自分のお腹の赤ちゃんと対話をして、「こういう状況に陥って、今もう帝王切開じゃないとあなたも私の体も厳しい状態みたいなんだ。帝王切開しても大丈夫かな?」と聞きます。
そうすると赤ちゃんが、「大丈夫、全然OK」などと答えてくれるのです。

自分の意思で決断する

事前の予想とは違い、お産に医学的な介入が必要な状況になったとしても、自分が落ち着いてさえいれば、その状況下で与えられた選択肢を充分に検討し、どうすればいいのかを自分自身で判断することが出来るのです。
自分が受け入れて納得したうえで行う帝王切開と、訳がわからず恐怖感を持ったまま行われた帝王切開とでは、結果が全然違ってきます。
例えば、その経験が残す心の傷跡が全く違ってきますし、回復期間中に必要な薬の数など、予後の回復にも差が出てくるのです。

ヒプノでは、どんな状況に陥っても自分で管理できるという精神状態を作っていくことを学びます。
医療の専門家にお任せにするのではなく自分でコントロールすることで、このうえない出産の喜びを感じてもらいたいと思います。

記事を書いた人

宮崎ますみ
女優として活躍するも自身の乳がん発覚を機にヒプノセラピーの道へ。ヒプノセラピストとして妊娠・出産のサポートでも活躍中。
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