子供とお出かけのマナー!気をつけたいポイントは?赤ちゃん編

子供、特に赤ちゃんを連れてお出かけするときに気をつけたいマナーのポイントをプロフェッショナルが説明します。授乳やベビーカーの扱いなど、ママになってからもう一度考えたい公共のマナーについて確認しましょう。
冠婚葬祭・暮らしのマナー

「子供とお出かけ」と言っても、赤ちゃんから小学生など年齢によって考えたいところが違いますね。
子供の年代別に分けて外出について考えてみましょう。
1回目は赤ちゃん(乳児)とお出かけする場合です。
(乳児とはちなみに1歳未満の子どもを指します)

乳児にとっての外出とは

まず、考えたいことがあります。
そもそも、乳児を連れて町中やデパート、公共の場に出掛けなくてはならないかということです。
これはマナー以前の問題です。

乳児は生後半年くらいは母体から受けた免疫がありますが、その「生後半年」というのは首の座り、お座りができるなど、体の構造が少しずつ確立していく大事な時期です。
首の座りやおすわりができるということは、脳の発達とも深い関係があります。
無理な姿勢で連れ歩くのは、よほどの状況のときに留めたいものです。

注意生後半年を過ぎた頃からは、自然免疫がなくなりますので感染率が高くなります。
体の構造や成長、脳の発達、免疫などを考えた時に、人ごみの中に連れ出すことがどうしても必要なのか考えましょう。

またこの時期に乳児は、周囲にいるいつも見える人との関係を認知したり、環境に適応する力をつけています。
外出は、必要以上の環境の変化(町中の様子)、騒音、空気、揺れなど、乳児にとっては好ましく無い環境が一杯です。

授乳の間隔も短く、外出中も授乳することになってしまうでしょう。
また、排泄の回数も多く定まっていません。

そのような乳児の状態を把握した上で、乳児にとってはリスクが多く快適とはいえない環境に身をおかせてしまうことを考えてお出掛けの如何を思案しましょう。

乳児期の、体のめまぐるしい発育、変化、脳の発達などのメカニズムを知り、乳児に適した環境の中に身をおくことを親も楽しめる育児ができたら良いですね。
「相手の身になる」「恕学」のマナーは乳児相手にも尊重する姿勢が大事ですね。

point赤ちゃんの身になって外出を考えましょう

その外出はほんとに必要?

そうはいっても、育児はノイローゼや鬱も生んでしまうことさえあります。
「自分も認めてあげる」のも「恕学」の考え方です。
息抜きや気晴らしも大切ですね。
そんな時は、公共の場といっても、人ごみの少ない郊外や自然の中に出掛けられるとよいでしょう。
自分のために時間を使えるような環境も必要です。
ショッピングをしたり、バーゲンに出掛けたりもしたいでしょう。
少しの間でも、替わりに面倒を見て下さる方がいらっしゃるとよいですね。

育児の手が他に無く、毎日の買い物にも行けないという状況にある方も確かに困りますね。
昨今ではネットスーパーや通販・宅配も充実しています。
自分や乳児に無理がないように外出と使い分けましょう。
その上で外出時にどうすれば良いかを一緒に考えてみましょう。

公共の場での授乳

授乳室
子どもが生まれたからといっても、女性としての恥じらいやたしなみは忘れないでいたいものですね。

  • 人前での授乳を避ける
  • 電車の中など人目のあるところでの授乳は好ましくありません。控えましょう。

  • 「授乳室・ベビールーム」を利用する
  • 最近は、デパートやショッピングモールには授乳室やベビールームが設けられています。

  • 授乳スペースは基本母子のみで利用する
  • 授乳室への男性の立ち入りは、他のお母さんの気になるところです。
    落ち着いて授乳ができるように、お父さんには外で待っていてもらいましょう。

  • 男性がミルクやおむつ替えのためのベビールームの利用に理解を持つ
  • 昨今、男性が育児をするケースも増えています。
    ベビールームでミルクを飲ませなくてはならない状況にある男性には、おおらかに対応して差し上げましょう。

  • 「授乳室」が見当たらない場合は、人目のないところを探す
  • 「授乳室」が見つからない時は、人目のない場所を探し、あからさまに「授乳中」というような絵にならない姿で行いましょう。
    ストールなどを上手に使って工夫してみて下さい。

  • 時間配分を考える
  • 目的地到着後の授乳にあわせて、出掛ける時間に配慮しましょう。
    途中でぐずりだしたら、授乳するのではなく「湯冷まし」を与えるなど対処いたしましょう。

おむつを替える際、気をつけること

皆が使うもの、清潔を心がけましょう。
当たり前ですが、汚さないことに細心の注意を払うことが大切です。

  • タオルやおむつ替えシートを持参する
  • おむつの交換台には、持参のタオルやおむつ替えシートなどを敷いてからおむつ交換をいたしましょう。

  • 汚してしまった時はキレイに片付ける
  • 万が一汚してしまったときには、汚れをふき取りきれいにしておきます。
    広く周囲を汚してしまい、手持ちのティッシュなどでは掃除しきれない場合はそのままにせずインフォメーションなどに相談することも大事です。
    次に使う人の身になることが大事ですね。

ベビーカーの扱い

ベビーカー
ベビーカーでの外出も、車いすでの外出とともに楽になりました。
特に駅でも、ベビーカー優先の表示も見かけます。
お互い様の気持ちでまわりも接するよう心がけますので、ご使用の方々もまわりへの配慮を忘れないように致しましょう。

エレベーターは限られたスペース

車いす、ベビーカー優先と書いてあるエレベーターは多いですね。
『エレベーターに乗らなくても大丈夫な方々(健常者)は譲りましょう。』が基本ですが、昨今は地下4階がホームなどというところもあったり、健常者でもエレベーターを使う方が多いです。
そんな時は、特に時間で急ぐことも少ないベビーカーの人たちも、謙虚に順番に並び、「どうぞ、お先へ」の笑顔と会釈を致しましょう。

ベビーカーを折りたたむべき?

折り畳めばもう一人二人乗れそうだということで、咎められることもあると思います。
しかし、乳児を抱いて人ごみでベビーカーを畳むことは危険が伴います。
「ご迷惑おかけして申訳ございません」「折り畳めなくて申し訳ございません」の気持ちを言葉と態度で示すことも必要だと思います。

バスの中でベビーカーを畳むか否かの論争はよく耳にします。
バスは揺れます。
乳児を抱いて、ベビーカーが倒れないように配慮することは危険です。

もし子どもを連れていない場合は、手伝って差し上げましょう。
スペースを確保しなくてはならないならば、まわりの人たちでベビーカーを畳み支えて差し上げる、席を譲るなど助け合いましょう。
周りの方に助けて頂くことに感謝する気持ちがあるのならば、必要以上に公共の場に出掛けることを慎む心を育んで頂けると思います。

電車では、乗り降り、通り道の邪魔にならないようにベビーカーの置き場所を考えましょう。
電車で座席に座れたときには、折り畳んで体に引き寄せて置きましょう。

出掛ける時間帯への配慮

朝夕のラッシュ時に時折ベビーカーをみつけます。
周りの人の顔つきが変わります。
空いている時なら赤ちゃんの顔を見て微笑む人たちでも、自分自身に余裕のない時は難しいものかもしれません。
トラブルを誘発するようなことなく、利用する時間帯への配慮を心がけましょう

point緊急時やどうしても乗らなければいけない場合を除き、朝夕のラッシュ時は避けましょう。

ぐずった時、泣き出した時の配慮

 限られたスペース内で泣き出した時、あやしても泣き止まない時には、その場から離れて、まわりの方々への配慮を忘れないようにしましょう。
『赤ちゃんなんだから仕方ない』と自らが言ってはなりませんね。

子どもは、社会の宝です。
子育ては、社会の皆さんも一緒に育てる気持ちでおおらかに接して下さる社会が望まれますね。
そして、子育て中の方々は、そのような皆様に感謝しなるべく迷惑をかけないようにすることが大事です。
「お互い様」「慎みます」の気持ちで、お互いに想いを馳せ合うこと、お互いを受け入れ合うことが「恕学」のめざすマナーです。

混んだ電車の中で、赤ちゃんの屈託のない笑顔に思わず微笑む人の何と多いことでしょう。
そこから、会話の生まれることもしばしばあります。

「我がもの顔」は伝わります。
「謙虚な心」も伝わります。
次世代の子どもたちの子育てを社会で担いましょう。

マナーは何が良いか悪いかよりも、相手の身になる、相手のことに想いを馳せ合う、そして受け入れる寛大な心が大事です。

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記事を書いた人

単なる型を覚えるだけのマナーではなく、マナーの真髄を学べる教育が評判。メディア出演の他、企業や学校等での研修実績も豊富
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