入学式の服装にもう迷わない!母親と子供の入学・卒園式ガイド

入学式・卒業式と一口にいいましても、小学校から大学まで幅広いですね。
先日、小学生のお母様からご質問がございました。
「地方の公立小学校の6年生の男の子ですが、卒業式に革のジャケットを着ていきたいというのですが、マナー的に大丈夫でしょうか?」というご質問でした。
この答えは後ほどにして、入学式・卒業式の服装の考え方について教えましょう。
入学式の服装
子供は基本的に制服がある場合は制服を着用、制服がない場合はフォーマルを意識してジャケット着用が好ましいでしょう。
アンサンブル(ワンピースとボレロなどのセット)もOKです。
親の服装もジャケット着用がベスト。
スーツや着物(訪問着)なら問題ありません。
ワンピースやコンビネゾンなどの場合も上にジャケットを羽織りましょう。
色は春の入学式の華やかさを表す明るい色合い(白やベージュ、薄いピンクやグレー)がベストです。
素材ではニットは避けましょう。
ニットはおしゃれなものもありますがフォーマルとは言えません。
お母様の服装で注意したいのは、スカート丈です。
式典の最中はイスに座っていたり、子供の身だしなみを直してあげるためにしゃがんだりすることもあります。
短くなりすぎないようにひざ丈を。
試着できる場合は座ったりしゃがんでみたりして確かめましょう。
ストッキングの黒はNG。
肌色が鉄則です。
アクセサリーはパールが基本です。
黒のアクセサリーは華やかな入学式には不向き。
メインはあくまでも子供なので、黒のアクセサリーをつけるぐらいならアクセサリーは不要です。
お父様の服装はスーツに限ります。
おしゃれを意識してカジュアルでいく必要はありません。
ダーク系のスーツで、無地または目立たない程度のストライプ程度が無難です。
注意したいのはネクタイの色です。
学校の式典で白ネクタイは学校職員と来賓が着用するもの。
父親のネクタイは色のあるものをおすすめします。
シャツの色は、白やパステルカラー、ストライプなどがいいでしょう。
ここは母親同様、春らしさや入学式の晴れやかさを感じる明るい色を選びましょう。
保育園・幼稚園
保育園では、入園する年齢や時期が様々なことも。
入園は喜ばしいことですが、無理してフォーマルな服装をさせることはありません。
特に年齢が低い場合は、いつもとあまりそれほど変わらない服装で安心させましょう。
幼稚園ならば、少しあらたまった雰囲気も必要です。
少し、お兄さん、お姉さんになったのだという自覚と誇りを感じて、家庭を離れての集団生活への期待感がもてるように制服も用意される事でしょう。
お母様の服装も、スーツなど少しあらたまった装いで子どもたちが華やいだ期待感をもてるとよいですね。
保育園や幼稚園ではかがんだりすることも多いので、胸元が見えない工夫をしておきましょう。
小学校
幼稚園や保育園と違い、勉強をするという一面への期待感を持たせられるような、成長の自覚を持たせた少しあらたまった服装が良いでしょう。
成長の著しいときですので、サイズアウトするまでの時間も短いもの。
スカートやズボンなどはちょっとしたお出かけや普段着にも使う気持ちでいるといいですね。
小学校でも制服のある学校もあります。
その場合は、制服を着用します。
付き添いの保護者も、清楚で明るいイメージの少しあらたまった服装がよいですね。
服装は、その人の第一印象を決める物です。
小学校は子どもとの二人三脚です。
保護者も入学式というスタートにふさわしい、色や形など第一印象を意識して選びましょう。
やはりジャケット着用で、春らしい色を取り入れましょう。
中学校・高校
制服(標準服)がある場合がほとんどですから、制服を着用します。
いくつかのコーディネートのできる制服でも、式典用など学校で決められている場合にはそれに従いましょう。
保護者は、あくまで付き添いですので、式典の意味をわきまえた控えめなフォーマルを心がけましょう。
大学・短大・専門学校
男子学生は特に成人式を意識して、スーツを購入する学生も多いと思います。
就職活動にも使えるような黒いスーツを選ぶことも少なくありません。
就職活動時にはまた新しく買おうと考えるなら、ストライプなどの柄が入ったおしゃれなものを選ぶのもよいでしょう。
女子学生の場合は、学校の雰囲気も考えて華やかなスーツでもかまいません。
専門学校などは学校の雰囲気が強いことも。
ただ、男子学生同様、実際の就活で使えないないスーツもあることを覚えておきましょう。
短大の授業で、「就活のマナー」の指導もして参りました。
必須科目なので、模擬面接の実技試験は学生たちも真剣でしたが、スーツ姿も採点の対象です。
一般的な就活にも適したスーツの選び方で、考慮したい点はスカート丈です。
座った時に、膝が隠れるような丈のスーツを選びましょう。
そのために、試着の際、椅子に座ってみるとよいでしょう。
特にストレッチ素材のスカートは、形は良いですが座ると裾が上がってしまうこともありますので気をつけましょう。
卒業式
保育園・幼稚園
制服がある場合は、迷う事もないですね。
卒園式は気候的にはまだ寒い時期なことも。
制服ではない場合、寒さ対策を考えてあげることも必要でしょう。
保護者とは違い、小学校の入学式ではダークなジャケットを着ることもおかしくありません。
卒園式では寒さ対策にタイツや長い靴下で、入学式には華やかなコサージュをプラスするなど、卒園式のものを小学校の入学式で着られるようなアレンジを考えてもいいかもしれません。
保護者の服装も、卒園式と入学式が同じではいけないということではありませんが、ダークな色を基本とし、入学式には華やかさをアレンジできるようなものを選ばれると経済的にもよいでしょう。
小学校
制服のある小学校は制服着用で問題ないでしょう。
私服の小学生は悩みますね。
おしゃれをするため、自分を目立たせるための式典ではないことを自覚させましょう。
『TPOを学ぶよい機会』と捉え、子どもと話し合うことも大切です。
マナーに絶対的な正解はないですが、このときにどのように振る舞う事が自分にとってもまわりの人たちにとっても心地よいかを考えられるようになることが、ひとつの節目の学びでもありますね。
保護者も、それに準じます。
子ども成長の中でも著しい6年間です。
厳かに祝いたいものですね。
その気持ちは服装選びにも現れると思います。
服装・身だしなみのポイントは、清潔感・上品・控えめです。
スーツやアンサンブルの色やスカート丈、パンプス選びにも清潔感・上品・控えめを考慮しましょう。
中学校・高校
入学式同様、制服(標準服)を着用します。
保護者の装いも、控えめで、厳かな雰囲気で臨むとよいでしょう。
大学・短大・専門学校
今でも袴姿は人気があるようです。
私が教えた学生たちもほとんどの女子学生は袴姿です。
レンタルもあり学生たちに人気です。
男子学生は、入学式、成人式、就活にも着用したスーツでよいでしょう。
私学の場合
保護者もその学校の校風にあわせた服装で臨みましょう。
入学式と卒業式の違い
入学式は、これから始まる新しい門出です。初めて出逢う先生、同級生、保護者の皆様への第一印象を考慮して臨むとよいでしょう。
卒業式は、今までお世話になった学校や先生への感謝の気持ちをこめて、服装選びを心がけましょう。
同じ式典でも、卒業式には厳粛に、入学式は華やかに、季節感なども考慮するとよいでしょう。
子どもが、中学・高校・大学となれば、親の服装もオーソドックスなものが落ち着きを感じさせます。
卒業式はウール素材、色は紺・黒・グレイなどがおすすめです。
入学式は春なので、少し柔らかい素材のものでもよいでしょう。
明るい感じの色、又は卒業式と同じスーツでもコサージュなどを華やかなものにするとよいでしょう。
式典での立ち居振る舞い
大事な節目の式です。
写真やビデオなども撮られることと思います。
喜びのあまりに、我が子のことばかりにならないようまわりへの配慮を忘れないように致しましょう。
厳粛な雰囲気を重んじるように気をつけましょう。
やむを得ず下のお子様を連れての式典では、泣き声や騒ぐ声などにはそっと会場を出るなど親として上手に対処いたしましょう。
大学・短大・専門学校の謝恩会
式典より少し華やいだ装いでもよいでしょう。
しかし、あくまでも卒業式の延長上と考え、はめを外し過ぎないような服装(露出の多いどれすなどは避けます)や振る舞いが大切です。
また、会場にあわせた装いも考慮しましょう。
ホテルなのか、学校の講堂なのか、その違いに配慮できるTPOを学ぶよい機会でもあります。
昨今は、パーティーでもジーンズを着用する著名人も多いですが、学校の行事ですので卒業はしたものの先生(恩師)と自分との立場をわきまえて振る舞うことが望ましいです。
公共の場では、母校であるその学校の名前を汚さないように節度ある行動をしたいものです。
保護者と先生の謝恩会
少し華やかな服装になると思いますが、気持ちは節度を持って子どもの保護はと先生の立場を脇舞いましょう。
品良く感謝の気持ちを表しましょう。
謝恩会も会場にあわせることが必要ですが、フォーマルな装いの略礼装が基本です。
アンサンブル・スーツや、着物ならば訪問着や付け下げがよいでしょう。
靴はつま先の空いていないパンプスです。
ミュールやブーツはふさわしくありません。
ストッキングは黒は喪になりますので気をつけましょう。
卒業式と同じ日の場合は式典より少し華やかにコサージュなどを付け替えるとよいでしょう。
別の日に催される場合は、少し華やかなスーツ・アンサンブルなどでも良いでしょう。
父親は礼服、ダークスーツが基本です。
ネクタイの色はあまり派手な色でない方が、先生への感謝の気持ちを表すのにはふさわしいかもしれません。
母親の服装とバランスを考えると良いでしょう。
私も、近隣の小学校の卒業式・入学式には、25年ほど来賓として参列しておりますが、服装にも変化が見られます。
昔は、進学先の制服を着用することが大部分でした。
昨今では、制服のない小学校では私服でその選択もある程度ゆだねられているようです。
自分表現の場だけにならないよう、式典の意味を考えて臨めるとよいですね。
女子は、壇上でお辞儀をするシーンを考えてスカートの丈を決めましょう。
リボンなど髪飾りはある程度微笑ましく受け止められますが、学生らしさを忘れないように致しましょう。
男子も最近はとてもおしゃれです。
ご質問の革のジャケットですが、絶対にダメということはできませんが、式典ということを考えればフォーマルな場でありますので、ジーンズ同様カジュアルな服装だと言うことは申しあげました。
来賓の方々も見えますので、どうしても着なくてはならないというのでなければ、避けましょう。
「ご本人と相談してみて下さい」とお伝えいたしました。
そのお子様も、「マナー違反ならやめる」と言ってくれていますが、どのように当日を迎えてくれますでしょう。
何れにしても、心に残る卒業式であることを祈ります。
記事を書いた人

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