厄払いの時期とは?プロが教える厄払いへ行くタイミングと方法

このお正月に、知り合いのお嬢様が厄年ということでご相談にみえました。
32歳になる方です。
「神社の初詣に行ったら、厄年だと知り気になっています。」とのことでした。
知らないうちに過ぎてしまう人もいらっしゃいます。
後で振り返ったらそういえばあまり良く無いことが起きていたな、なんて言う人もいらっしゃいます。
気になる人には「厄払い」をお勧めします。
これは厄年だからとか厄払いのためだけにお勧めするのではありません。
厄払いをきっかけに地元の氏神様にお参りして、その土地との関係を繋いだり紡いだりできると良いと思うからです。
普段、氏神様にお参りしても、正式にお参りすることはなかなかありません。
厄年を機に昇殿参拝(しょうでんさんぱい:特別な祈願がある場合の参拝。社務所で申込み拝殿内、または神楽殿で参拝。)することによって地域で生きる人を作ると感じています。
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厄年の年齢の数え方
厄年は男性と女性では年齢が違います。
男性 | 61歳 42歳 25歳 |
女性 | 37歳 33歳 19歳 |
昔は数え年で年齢を表しましたので、少しわかり難いです。
現在の誕生日がきて年を取る「満年齢」の数え方とは違いますので少し注意が必要です。
「数え年」は生まれたその年を1歳と数えます。
お腹の中で命が宿ったときから生まれるまでも1年と数えるわけですね。
また、お正月を年の始まりとするか、節分明けの「立春」を年始めとするかは、土地柄もあるようです。
節分の「豆まき」のあとでまいた豆を頂きますが、年の数よりひとつ多く頂くというのも数え年の考え方です。
ここでは統一して、お正月が明けたらひとつプラスした年齢で考えることに致しましょう。
わかりやすくするために、実際の厄年の生まれの方を記しておきます。
男性の厄年
2019年 (平成31年) | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
42歳の大厄 | 昭和54年 (1979年) | 昭和53年 (1978年) | 昭和52年 (1977年) |
61歳の厄年 | 昭和35年 (1960年) | 昭和34年 (1959年) | 昭和33年 (1958年) |
25歳の厄年 | 平成8年 (1996年) | 平成7年 (1995年) | 平成6年 (1994年) |
女性の厄年
2019年 (平成31年) | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
33歳の大厄 | 昭和63年 (1988年) | 昭和62年 (1987年) | 昭和61年 (1986年) |
37歳の小厄 | 昭和59年 (1984年) | 昭和58年 (1983年) | 昭和57年 (1982年) |
19歳の厄年 | 平成14年 (2002年) | 平成13年 (2001年) | 平成12年 (2000年) |
ご相談のお嬢様は、6月生まれの現在31歳です。
「大厄」ですね。
今年32歳になりますが、数えでお正月過ぎたのでもうひとつプラスすることになり、33歳の本厄ということになります。
そもそも「厄年」はなぜ存在するのでしょう
昔は、地域と住人、地域と自然、地域と神社が密接に関わって日々の暮らしがありました。
そして日常と分けて「晴れ」といわれる日があり、行事としていました。
冠婚葬祭の「祭」にあたります。
それが「祭り」であり「祀り」であり「政り事」だったのです。
そもそも「厄年」は、そんな祭り事に参加する人たちが「物忌み」といって、神事に携わる行事に参加するための清めでした。
「厄」は「役」から来たという説もあり、地域の祭事の役割を持つような大事な節目の年回りでもあったのだと考えられます。
一夜、お社(やしろ)に籠もり、穢れ(けがれ)を祓って(はらって)祭事に臨むということが行われていました。
このことから、「厄」は悪いことがやって来るというより、自分の中に溜まってしまう穢れが災いを引き起こすということなのだと解釈できます。
特にこの年齢に行うのは、祭事にかかわらず社会的にも人生においての節目となる年回りなのでしょう。
体に変調をきたすなど社会的にも変化の年齢です。
精神的にもストレスが多くなるときでもあります。
昔も今もその年齢に大きく変わりはないようですね。
男女で年齢が違うのも納得できます。
そういうときには、自らを振り返り身を清め心新たに自らを戒めながら臨むことが大事なのではないでしょうか。
厄払いはどこですればよいのでしょう
全国には厄払いの神社があちらこちらにあります。
そのような著名な神社で行う方もたくさんいらっしゃいます。
しかしながら、先ほど申しあげたことを考えますとできるならば氏神さまにてお祓いして頂くのが宜しいのではないかと思われます。
「祓って頂くことばかり」にならず、「こんにちまで、無事に過ごさせて頂いた感謝」を込めて臨みましょう。
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厄払いの流れ
- 事前に、神社に問い合わせて日程を決めます
- 服装は、きちんとした装いにしましょう
- 「御初穂料」と書いたお包みをお持ちします
- お辞儀は最敬礼をしましょう
- お払い次第を確認しましょう
男性ならジャケット着用。
靴を脱いで社殿に上がりますので、靴や靴下にも心を配りましょう。
女性も正座をすることも考慮して、タイトな服装よりゆったりしたスカートなどを着用するとよいでしょう。
伊勢神宮や他の神社でも正式参拝の折りに、女性の場合、装いの色は黒装束(くろしょうぞく)にならないよう、淡い色の方が良いと伺いました。
生足は失礼ですから気をつけましょう。
金額はそれぞれですが、一般的に5000円~10000円です。
新券を用意しましょう。
お札の表は人物が印刷されている面で、顔が印刷されている方を上に致します。
一般の蝶結びの祝儀袋、または、白い祝儀用の封筒に「御初穂料」と書き、下に厄よけをする本人の名前を書きます。
受付にて、申し込み時にお渡しします。
神社で袋を用意していることもありますので、実際にお尋ねになるとよいでしょう。
正式参拝、昇殿参拝のお辞儀は最敬礼という、90°のお辞儀です。
角度が問題なのではなく、心を込める気持ちが角度に現れるということです。
お払い次第(お払いの流れ)は、神社によっても多少ちがいがあるかもしれませんので直接お尋ねになるとよいでしょう。
どこでも行われる玉串奉奠(たまぐしほうてん)の方法については記しておきます。
玉串奉奠の作法
玉串奉奠(たまぐしほうてん)とは榊の枝に紙垂をつけたものを、神前に捧げることです。
この受け取り方、捧げ方には作法があります。
- 神職から玉串を渡されるときは、右手で玉串の根元を上の方から持ち、左手で葉先を支えるように持ちます。葉先の方が高くなるように。
- 玉串を捧げる台(案)の前へ進み、会釈(正式名は異なります)をします。
- 玉串を時計回りに回しながら祈祷(神秘的な力をもつ特定の対象に対し、期待する結果を得るために祈ること)の気持ちを込めます。
- 玉串の根元が神前に向かうようにして捧げます。
- 二礼二拍手一礼をして、会釈をして元の席に戻ります。
和のNG作法
昇殿参拝も昨今は正座をしなくて良い場合もありますが、正座や、和の空間での作法を心得ていると安心です。
いくつか簡単に述べておきます。
- 敷居を踏まない
- 畳の縁を踏まない
- 畳の縁の上に座らない・物を置かない
- 座布団がある場合、座布団の上に立たない
直会(お神酒を頂く)
直会(なおらい)は神様に供えた神饌やお神酒を下げて頂くことです。
神様からの力を頂くという意味があります。
神様のご祈祷を受けるという非日常から、日常に戻るための儀式ですのでお酒が苦手でも頂きましょう。
厄年にしたらよいこと
よく厄年に新築したり、引っ越ししたり、新しい事を始めるのは良く無く、逆に出産は厄落としにもなる等と聞きます。
厄の意味から考えれば、それはお役(厄)が巡ってくる頃に、身を慎んで備え臨むべきだと考える事ができます。
これをしたら良い、これをしてはいけないという事よりも、「我が身を慎む」気持ちを持って日々を送る事が大事だと思います。
記事を書いた人

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