料理を時短!野菜の冷凍保存&解凍のコツと便利で美味しい活用術

冷凍野菜は主婦の味方!
家庭の台所を守る主婦にとって、家族の健康を守ることは大切な役目。偏った食生活にならないように、野菜を積極的に取り入れたいものです。
しかし、野菜は日持ちがしにくい食材です。気づいたときには腐ってしまっていたという経験をした方も少なくないでしょう。
食材を使いきることで、無駄な出費が抑えられて節約になります。また冷凍野菜を活用すれば、下ごしらえが終わっているので料理の時短にも繋がります。
そこで、主婦の味方「冷凍野菜」を美味しく保存するコツや食感を残すための解凍方法、調理方法などのテクニックを詳しく紹介します。
①新鮮なうちに冷凍する
冷凍するのが早ければ早いほど、味も栄養価も落ちにくいです。
食べきれないと思ったら、適切な処理をして1秒でもはやく冷凍しましょう。
②しっかりと洗って水気を取る
食中毒や腐敗の原因となる菌には、栽培中の汚染が原因となるものもあります。鳥や鼠などの糞などによる土壌汚染を避けることは難しいためです。
冷凍しても菌を殺すことはできないので、冷凍する前にしっかりと洗うことが大切です。
また、霜や塊になるのを防ぐためにも、洗った野菜の水気はクッキングペーパーできちんと取り除きましょう。
③小分けにする
使わない分まで解凍されてしまうのを防ぐために、使う分ずつ小分けにして冷凍しましょう。
解凍したもの再冷凍すると、腐りやすくなる上に食品がダメージを受けておいしさが落ちてしまいます。
④短時間で冷凍する
冷凍した食品の食感や味が悪くなってしまうのは、冷凍するときにダメージを受けてしまうから。
このダメージをできるだけ小さくするには、短時間で冷凍することがポイントです。家庭の冷凍庫の温度は高いため、短時間で冷凍する工夫が必要です。
- 設定温度を最大に下げる
- 加熱したものは、冷ましてから冷凍する
- 冷風が当たる表面積が大きくなるように、薄く平らにする
- 熱伝導率が高い金属性トレイを利用する
※特にアルミ製のトレイは、食品を急激に冷やすことができます - 保冷剤で囲って急激に冷やす
- 冷気が逃げないように冷凍庫を開けない
⑤密封して美味しさを逃がさない
空気に触れていると酸化するため、おいしさが半減してしまいます。ラップで小分けにして、さらにフリーザーバッグに入れて冷凍してください。
ストローなどを使ってしっかりと空気を抜いてから、ジッパーを閉めて密封しましょう。
また、密封保存はニオイ移りを防ぐ効果もあります。
⑥保存期間の目安を意識
冷凍保存できる目安は、2~3週間です。
野菜の種類や下ごしらえの方法などによっては、1ヶ月以上保存できるものもありますが、おいしく食べることができるのは2~3週間となります。
家庭の冷凍庫は開け閉めが多く温度の上下が激しいため、品質を保つことが難しいのです。
期間内にきちんと食べるために、保存した日を袋のウィンドウにきちんと書いておきましょう。
冷凍野菜をおいしく料理するコツ
解凍は加熱調理が基本
冷凍野菜をおいしく解凍するポイントは、-5℃~-1℃の温度帯を短時間で抜けること。
そのままスープに加えたり、油で炒めたりなど、凍ったままでの加熱調理が基本です。
野菜の種類によっては解凍してから使うものもありますが、「キッチンに放置する」といった常温で時間をかけて解凍することは避けるようにしてください。
おいしさを損なうだけではなく、細菌が繁殖してしまう可能性があります。
- 加熱して解凍する
- →電子レンジ、熱湯をかける、ボイルする、炒める、スープに入れるなど
- 氷水につけるor流水で解凍する
- →水が入らないように密封して行う
- 冷蔵庫で解凍する
- →低温に保つことでダメージを低減、細菌の繁殖も防ぐ
冷凍した野菜はダメージを受けてしまいますが、悪いことばかりではありません。
ダメージを受けて細胞が壊れているため、調味料が中までしっかりとしみ込みやすいのです。
そのため、煮物や煮込み料理といった時間がかかる料理も、短時間でおいしく仕上げることができます。
冷凍保存しても栄養はなくならない?
ビタミンCや葉酸などの水溶性の栄養素は、冷凍保存すると壊れてしまうと言われています。
しかし、野菜自身の酵素の働きを止めることができるので、冷凍保存中に壊れてしまう栄養はほとんどありません。
なぜ水溶性の栄養素は壊れてしまうのかというと、冷凍する前の下ごしらえや調理方法が原因です。
野菜を冷凍する前の下ごしらえとして、「ブランチング(下茹で)」があります。
水溶性の栄養素は、このブランチング時に水分中に溶け出てしまいます。
そのため、冷凍野菜を献立に使うときは、他のおかずで水溶性ビタミンを補うことを意識してください
また、調理時に溶け出た栄養も取れるように、煮汁ごと食べられるような料理(スープなど)に使うのも良いでしょう。
【野菜別】冷凍方法と活用方法
家庭の食卓によく登場する、代表的な野菜の冷凍法と活用法をくわしく紹介します。
青菜類(ほうれん草、小松菜、チンゲン菜)、きゅうり、セロリ、キャベツ、白菜
冷凍方法
加熱してから冷凍すると解凍時にやわらかくなり過ぎてしまうため、食べやすい大きさにカットして、生のまま冷凍します。
この時、きゅうりだけは輪切りにして塩もみをします。
平らに薄くなるようにラップで小分けにして、冷凍保存しましょう。
活用方法
おひたし、酢の物、サラダなどに使うときは、熱湯をかけて解凍します。
炒め物やスープでは凍ったまま使います。べちゃっとならないように、加熱時間を短時間にすることがポイント。
炒めるときは強火、スープに使うときは十分に温度が高いところに入れます。解凍と同時に、料理が完成するイメージで作ると良いでしょう。
アスパラガス
冷凍方法
根元の固い部分をピューラーで剥き、使いやすい大きさにカットして冷凍します。
活用方法
沸騰したお湯で3~5分間茹でて解凍します。
お弁当やおつまみに便利な「アスパラベーコン巻」にして冷凍するのもオススメ。
かぼちゃ、さつまいも、ジャガ芋
冷凍方法
茹でると水っぽくなってしまうので、電子レンジで固ゆでくらいまで加熱して、冷凍します。
かぼちゃとじゃがいもは5cm角くらいの大きさにカット、さつまいもは厚さ1cmくらいの輪切りに。
活用方法
使うときは凍ったまま、煮汁やスープに入れます。
電子レンジで解凍してからマッシュして、コロッケやサラダ、ポタージュスープ、スイートポテトなどのスイーツに活用するのも◎。
きのこ類(しめじ、まいたけ、なめこ、しいたけ、えのき、エリンギ、マッシュルームなど)
冷凍方法
石づきを取って、使い易い大きさに分けて冷凍します。黒ずんでしまい濡れたところから傷んでしまうので、洗うことは避けてください。
汚れが気になるところは、キッチンペーパーで拭いておきましょう。
きのこ類は、冷凍すると旨味成分(グアニル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸など)がアップすると言われています。
活用方法
きのこ類は特に水分が多い食材なので、炒めものに使うときは、水分を飛ばすように炒めましょう。
スープや煮物に使うときは、凍ったまま温かい煮汁に入れます。
また、細かく刻んで炊き込みご飯や餃子の餡などにすると、食感が気になりにくくなります。
しそ、パセリ、バジル
冷凍方法
生のまま冷凍します。しそは冷凍してしまうと小分けにできないので、ラップで数枚ずつ包んでから冷凍しましょう。
活用方法
凍ったものは、千切りやみじん切りがとても簡単にできます。みじん切りは、袋に入れてもむだけOK。
切ったものは、すぐに解凍になるのでそのまま使います。
しょうが、にんにく、みょうが
冷凍方法
薄切り、千切り、みじん切り、すりおろしにして冷凍します。
使いやすいように、一片分ずつラップで小分けにし、においが出ないようにジッパー付きの保存袋に入れましょう。
活用方法
炒めもの、スープ、煮込み料理には凍ったまま使います。
和え物やサラダ、薬味といった加熱しない料理には、冷蔵庫で解凍してから使います。
大根、にんじん、ごぼうなどの根菜
冷凍方法
薄切りや千切りにする場合は、生のまま冷凍します。
乱切りした場合は、そのまま冷凍するとスカスカになってしまうので、切ったものを醤油や砂糖と一緒にジッパー付きの保存袋に入れて冷凍します。
※ごぼうの旨味や風味はアクに含まれているので水にさらしませんが、どうしても気になる場合は水に15分ほどさらしましょう。
活用方法
サラダや酢の物に使いたいときは、熱湯をかけて解凍。炒め物や煮物には凍ったまま使います。
玉ねぎ
冷凍方法
みじん切り、薄切りにして生のまま冷凍します。
活用方法
凍ったまま使いますが、細胞が壊れているので、通常は20分以上かかってしまう飴色玉ねぎを短時間でつくることができます。
甘味や旨味も引き出しやすくなっているので、オニオンスープや炒め物、煮込み料理に最適です。
トマト、ミニトマト
冷凍方法
ヘタを取り除いて冷凍します。
活用方法
冷凍のまま加熱調理します。
パスタソースや煮込み料理など、トマトの食感が気にならない料理がおすすめです。
長ねぎ、万能ねぎ、ニラ
冷凍方法
みじん切りや小口切りで3~4cmにカットして冷凍します。クッキングペーパーでしっかりと水気を取ってから保存しましょう。
バラバラに凍るので、使いたい分だけ取り出すことができます。
活用方法
炒め物や、味噌汁、鍋、煮物などの加熱調理には、凍ったまま使います。
薬味として使いたい場合や、餃子の餡に使う場合は、冷蔵庫で解凍して使います。
なす、ズッキーニ
冷凍方法
厚さ5mmほどの輪切りもしくは、1cm角のサイコロ状に切り、薄い塩水に10分ほどさらしてアク抜きして冷凍します。
活用方法
皮が固く残ってしまうので、炒め物には適しません。ラタトゥイユ、カレーなど長時間煮込む料理に活用しましょう。
ピーマン、パプリカ
冷凍方法
使いやすい大きさにカットして冷凍します。
ダメージを受けやすいやすい野菜なので、必ず金属トレイに乗せて保冷剤で囲んで、一気に冷凍しましょう。
活用方法
炒め物やスープ、煮込み料理に使います。チンジャオロースなどのような食材本来の味を生かす料理には適しません。
ブロッコリー、カリフラワー
冷凍方法
小房に切り分けたら、塩を加えた湯で30秒茹でます。クッキングペーパーで水分をふき取ってから冷凍します。
活用方法
サラダや和え物に使う場合は冷蔵庫で解凍しますが、時間がないときはサッとボイルしてもOK。
スープや煮込み料理、炒め物、グラタンなどの加熱料理には、凍ったまま使います。
もやし、レタス
冷凍方法
レタスは食べやすい大きさに手でちぎってから、もやしはそのまま冷凍します。
活用方法
凍ったまま使いますが、加熱を短時間にすることがポイント。
とても柔らかくなってしまうので、サラダなどの生食には適しません。
あると便利!ミックス冷凍野菜
みじん切りで保存
みじん切りにして、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。
凍ったまま炒めて、チャーハン、ピラフ、チキンライス、ドライカレー、ミートソースなどに。電子レンジで30秒ほど温め、溶き卵に加えてオムレツにも。彩りもきれいです。
細切りで保存
細切りにして、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。
凍ったまま強火で炒めものにしたり、甘酢あんかけにして揚げた肉や魚(タラや鮭)にかけたりするのもオススメ。
きゃべつ(白菜)、にんじん、たまねぎミックス
キャベツはざく切り、にんじんは薄い輪切り、玉ねぎは薄切りにして、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。
凍ったまま強火で炒めもの、中華あんかけなどに。シチューやスープには、沸騰しているところに加えて解凍します。
冷凍野菜で暮らしに彩りを
冷凍野菜があれば、毎日の料理の時間が時短できます。冷凍&解凍のコツとテクニックを駆使すれば、冷凍野菜を美味しく食べられます。
冷凍野菜を使って食卓にもう1品をプラスすると、毎日の食事が華やかになり、暮らしが豊かに彩られることになるでしょう。
記事を書いた人

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