敏感肌・乾燥肌向け化粧品やクレンジング、正しいスキンケア方法

皆さん、こんにちは。
私の所には、「最近、肌が敏感になってきた気がする」というご相談が、後を絶えません。
その割合を見ると、圧倒的に30代以上の女性に多いのが特徴です。
今回のコラムでは、敏感肌の原因、敏感肌にならないための予防策、敏感肌になってしまった時の対処法を、詳しく解説いたします。
敏感肌を正しく理解する
敏感肌には、様々な見解があり非常に主観的で曖昧です。
まずは、正しく敏感肌を理解しましょう!
少しの刺激で、発赤・痒み・湿疹・染みるなどの症状が出やすい肌のことを、総称で「敏感肌」と言います。
角質層にある、バリア機能(外的刺激から皮膚を守る働き)を担う「セラミド」と呼ばれる物質が減少することが主な原因です。
また、アレルギー体質の人も敏感肌になりやすい傾向にあります。
そして、本当の敏感肌というのは、上記のような症状が、生まれつきある人を指します。
生まれつき敏感肌の人は、アトピー等の皮膚疾患を併発していることもあるため、皮膚科を受診して、ご自分の肌に合った最適なケアを相談しましょう。
乾燥肌の人は敏感肌に!?
生まれつきではなく、気付いたらいつの間にか敏感肌になっていたという人は、自ら故意に招いている可能性が高いということになります。
ポイントは、乾燥肌から移行する事例が多いという点です。
乾燥肌になると、肌を守ろうとして角質細胞が通常よりも速いスピードで形成されていきます。
そうなると、角質層は厚みを増して不安定になり、バリア機能(外的刺激から皮膚を守る働き)を担うセラミドの抵抗力が減少します。
その結果、肌にダメージを受けやすくなるという悪循環です。
特に、気温や湿度が低下する冬場に起こりやすいのが特徴です。
敏感肌の程度
敏感肌にも症状によって、重度・中度・軽度と症状が分かれます。
ご自身状態を確認してみましょう。
敏感肌の程度チェック! | |
---|---|
重度 | ・洗顔時に水を浸けるだけでも染みる |
中度 | ・顔全体に赤みやカサつきや粉吹きがある ・髪の毛や化粧水が触れると痒みが出る |
軽度 | ・痒みはないが、所々に赤みやカサつきがある |
自称敏感肌
敏感肌という言葉が浸透して、ちょっと吹き出物ができただけでも、私は敏感肌だと勘違いする自称敏感肌の人も見受けられます。
どれだけ気を付けていても、たまには誰でも肌の調子が悪い時はあります。
ですから、実際に敏感肌の人はそれほど多くはない為、あまり神経質にならないことも大切です。
中には、些細なことで化粧品が合っていないと思い込み、次から次へと変えてしまい、逆に肌の調子を狂わせているケースもあります。
ポイントとしては、一週間以上経っても症状が回復しない場合は、注意が必要でしょう。
敏感肌の原因を探る
では一体、自ら敏感肌を招く原因は何なのでしょうか!?
バリア機能(外的刺激から皮膚を守る働き)を担うセラミドは、ただでさえ年齢を重ねるごとに減ってきます。
それを、普段のスキンケアで故意に傷めつけていることが、主な原因です。
界面活性剤が多く含まれる化粧品
界面活性剤という成分が多く含まれる化粧品は、セラミドの環境に影響を与えます。
摩擦・叩く
クレンジングや洗顔時での力の入れすぎ、血行促進のための過度なマッサージなど、肌に対して過度に摩擦を加えることは、セラミドを減少させます。
また、化粧水やローションをコットンで叩き込む、化粧品を付けた後に手でパンパン叩くなどの行為も、セラミドの働きを弱めます。
不規則な生活
慢性的な睡眠不足、偏った食生活、ストレスの蓄積などは、肌の新陳代謝が乱れ、セラミドの生成力が衰えます。
敏感肌にならないためには
敏感肌になってから対処することは、とても辛い思いをすることととなりますので、敏感肌にならないよう普段からしっかりとした予防策を心がける必要があります。
予防に勝るケアはなし!
保湿化粧品
メインとなるのが、保湿化粧品です。1年を通して、朝晩しっかり塗りましょう。
夏でも、保湿化粧水ではなく保湿美容液を常用して下さい。
化粧水より美容液のほうが、保湿成分が多く含まれている傾向にありますので、バリア機能(外的刺激から肌を守る働き)をサポートしてくれます。
サラッとした保湿乳液でも良いでしょう。
界面活性剤が少なめの化粧品
界面活性剤で最も注意が必要なアイテムは、クレンジングです。
一般的に刺激が少ないと言われるのは、ミルクかクリームタイプです。
ただし全てに当てはまるわけではなく、成分を見ただけでは判断できないため、こればかりは実際に使ってみないとわかりません。
また、リキッドやクリームタイプのファンデーション、化粧下地にも多く配合されるケースが目立ちます。
界面活性剤が少ないのは、パウダー系ファンデーションです。
化粧水や美容液ばかりに目が行きがちですが、クレンジングやメイクの選定は、スキンケアの盲点だと肝に銘じて下さい。
擦り過ぎない
クレンジングや洗顔時での擦りすぎ、時間の掛けすぎには注意が必要です。
肌にのせてからすすぎまで、各1分以内に終わらせましょう。
マシュマロが、へこむかへこまないかくらいの力加減がベターです。
加えて、引っ張る・持ち上げるなど力の入った強引なマッサージは控えましょう。
叩かない
化粧品の浸透目的や顔の引き締め目的で、叩く行為は厳禁です。
化粧品成分は、わざわざ叩かなくても自然に浸透するようにできています。
化粧品は、手の平で顔全体を押さえるようにして馴染ませましょう。
また、叩いても顔が引き締まったり小顔になることはなく、あくまでも一時的な効果に過ぎません。
1日6時間以上の睡眠
バランスの摂れた食生活やストレス軽減も大切ですが、特に寝不足に気をつけましょう。
肌の細胞分裂は、寝ている間に行われますので毎日最低6時間の睡眠を確保して下さい。
敏感肌になってしまったら
どれだけ気をつけていても、急激なホルモンバランスの乱れなどで、敏感肌になることがあります。
そこで、適切な対処法を解説させていただきます。
刺激を与えない
刺激は敏感肌にとって大敵です。
気になるのはわかりますが、なるべく肌に触れることは避けましょう。
こってりとした保湿化粧品
水っぽいもの(化粧水やローション等)は治癒が遅くなるので控え、こってりとした保湿美容液や保湿クリームのみで様子を見ましょう。
ポイントは、配合されている全成分がシンプルなものを選び、かつ保湿成分(セラミドやヒアルロン酸など)が含まれたものがベストです。
なお、水や化粧品をつけただけも染みる重度の場合は、肌が落ち着くまでは、市販のワセリンのみを塗布しましょう。
メイク料は軽いもの
メイクは、ルースパウダー(おしろい)などの、洗顔料のみで落とせる軽いものにしましょう。
十分な睡眠
皮膚の回復をサポートする睡眠を、1日7時間以上確保しましょう。
回復までに要する時間は、症状の状態や肌質にも左右されるため、一概には言えません。
回復後は、『敏感肌にならないためには』で紹介した対処方法を実践しましょう。
これらのケアを2週間程度続けて、少しも回復しない場合、逆に悪化した場合、体調不良も同時に起きている場合は、内的要因が絡んでいることもありますので、医師の診察を受けましょう。
最後に
スキンケアの原点は、肌の健康維持です。
そんな毎日のスキンケアで、自ら肌を傷めつけてしまっては、元も子もありませんよね。
一度敏感肌になると、回復するまでにある程度の時間を要します。
皮脂は分単位で分泌されますが、肌のバリア機能(外的刺激から肌を守る働き)は、いったん弱くなったら思うように回復することは難しいのです。
悩みが現れる前に予防をする、現れ始めた悩みを最小限に食い止める、進行してしまった悩みには適切な対処をする。
この意識を心得て、敏感肌に怯える日々にピリオドを打ちましょう。
記事を書いた人

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