住宅ローン※借り換えのメリットは?お金の専門家が詳しく解説!

住宅ローンの返済方法やそのメリットデメリットなどを紹介しています。見直しのポイントや控除の問題について専門家の目線で詳しく解説します。
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小山智子 (こやま ともこ)
不動産ファイナンシャルプランナー

住宅ローンの返済がある一定の時期に来ると「繰り上げ返済」か「借換え」を検討する方も多いと思います。
今回は借換えについて見ていきましょう

借り換えとは

借り換えとは金利変動のタイミングに合わせて、借入れする金融機関を変更することで返済総額を減少させる方法のことです。

借換えについてもう少し詳しく説明しますね。
例えば、10年固定金利や変動金利で住宅ローンを組むと、ある一定の期間が来ると《金利の見直し》が行われます。

金融機関では、優遇金利といって「一定の条件を満たすとあなたの住宅ローンの金利を更に引き下げますよ」というキャンペーンなどがあります。
これを利用していた場合など、キャンペーンが終了すると返済額が大幅にアップする可能性が出てきます。
そこで【住宅ローンの借換えを検討する】という方が多いのです。

【借り換えのタイミング例】
借り換えタイミング

借り換えの条件とは?

条件1.金融機関

  • 公的融資(住宅金融公庫や年金など)から民間の住宅ローン(銀行など)へ借り換え
  • 民間の住宅ローンから民間の住宅ローンへ借り換え

条件2.借換え条件ポイント

  • 借り換え前後のローンの金利差が1%以上
  • ローンの残高が1,000万円以上ある場合
  • 返済の残りの期間が10年以上の場合

上記の条件をクリアしていれば借り換えすることで、総支払額を減らすことも可能であるためお勧めです。

注意ポイント!

  • 民間の住宅ローンから公的融資への借り換えはできません
  • 同じ金融機関内では借り換えはできません
  • 借り換えをする際諸費用が掛かります
  • 《例》抹消登記手数料・保証料・登録料など
    ローンの残債によって違いますが20万~30万ほどかかり、金融機関によって諸費用が異なるので注意が必要です。

借換えをすることで借入期間はどうなるのでしょうか?

借換えする場合の借入期間は、住宅ローンの残存期間内というのが一般的でした。
しかし最近は残存期間より長く借りられる住宅ローンもあります。
毎月の返済額を減らすことができるので支払期間を延長することに問題なければお勧めかもしれません。
借換え時の年齢や、定年までのライフプランを十分に考えて選ぶことが大切になってきます

ここでもう一つ注意しなければいけないのが住宅ローン控除についてです。
住宅ローン借換えとローン控除の関係 を見てみましょう。

住宅ローン控除とは

正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。
自分が住む住宅を住宅ローンを利用して購入した場合に、一定期間にわたって、住宅ローンの残高の一定割合を、所得税から控除してくれるというものです。

住宅ローン控除を受けている人が、借入当初より低い金利のローンに借り換えした場合、住宅ローン控除を受けるための条件として以下があります。

  1. 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること
  2. 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること

住宅ローン借り換え後に、住宅ローン控除を受けるためには、この2つの条件を満たす必要があります。
借り換え後のローン期間が10年以上であることであって、借り換え前のローンとの期間通算ではありませんので注意をしてください。

また、住宅ローン控除が適用されるかどうかは、購入した年度で控除の年数など条件が違うので、その住宅を取得した年に戻って条件を確認します。

例えば、控除対象年数が10年で、居住開始から10年を越えていれば、住宅ローンの返済期間が10年以上あっても控除を受けることはできません。
つまり控除期間は通算しますが、期間の延長は無いということになります。

【住宅控除対象外になる例】
借り換え控除対象外例

最近は残存期間より長く借りられる住宅ローンもありますので支払期間が伸びることで、毎月の返済額を減らすこともでき、支払期間を延長することに問題なければお勧めかもしれません。
また借り換えの際には諸費用がかかるのですが、その諸費用も掛からない住宅ローンもあり経費を節約できるメリットがあります。
借り換えをする際は、いろいろな金融機関を検索してみることが大切です。

次回は繰上げ返済と借換の注意点とライフプランの密接な関係についてお話します。

記事を書いた人

不動産ファイナンシャルプランナー
小山智子 (こやま ともこ)
相続不動産のプロフェッショナル。女性が自分自身の力でお金についての知識を身に着けられるよう、本当に役立つ情報を発信中。
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