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不妊鍼灸治療の効果とは?人気鍼灸師が教える治療の流れと注意点

鍼灸治療で妊娠しやすくなる?

最近、不妊治療において鍼灸が注目されています。
これまで鍼灸院といえば、腰痛や肩こり、スポーツ障害などで通院する方が多く、体質改善のために通うというイメージはありませんでした。
そのせいか、数千年にわたり研究されてきた東洋医学を、不妊治療に積極的に活用しようと試みる鍼灸院はまだ少ないようです。

鍼灸の治療とは

鍼灸は、「随症治療(ずいしょうちりょう)」という伝統医学的見立てをして治療をします。
西洋医学の病名は参考にしますが、病名による治療をするわけではありません。

卵巣などが悪いと言う場合でも、「卵巣」と書くと西洋医学の臓器を思い描いてしまいますが、東洋医学が治療対象とするのは悪い臓器だけではなく、「臓腑(ぞうふ)」という『生理現象や感情も含んだもの』になります。
経絡の変調を察し、深浅にある気の道の滞りを散らしたり、補ったりして身体をまとう気血水の流れをよくしようというものです。
体表から少し鍼を刺入することや、体表にもぐさをのせて火を着けるだけですので、鍼や熱を悪い臓器に直接届かせるわけではありません。

鍼灸による不妊症の体質改善

卵巣とツボ
身体に存在するツボは作用がだいたい決まっています。
不妊症に関しては、例えば卵巣に関する炎症があったり、働きが悪かったりすると、「蠡溝(れいこう)」というツボに反応が出ます。
生体の反応は、痛み、熱感、凹みなどの炎症や、機能が悪い場合などで異なるので、その反応を見て、鍼の方向や響き方を変えたり、お灸をしたりするのです。

「卵巣機能が悪い」というケースについて、さらに注目してみましょう。
その原因は、年齢により卵巣機能が悪い場合や、骨盤内の炎症を起こす血液が悪い場合、治癒を促す血流が悪い場合、ストレスなどで脳からの命令が出ない場合などがあります。

女性の不妊の原因は千差万別で、生殖機能の一つ「卵巣」だけをとっても、さまざまな要因が複雑にからみあい、現在の状況を生み出しているのです。

鍼灸治療ではそのような状態のなかで、どの経絡、どのツボを使えばそのからんだ状態を元に戻せるかを考えます。
人間の自然治癒力を最大限に引き出すため、阻害要因を取り除くことを治療の目標としています。

鍼灸治療で子宮機能をアップ

子宮内膜の図

子宮内膜を厚くする成分の活性化

不妊症では「卵巣機能が悪い」という方ばかりではなく、「子宮内膜が厚くならない」という方もいます。
この場合もどこが原因なのかを見極めて、治療法を変えていきます。

子宮内膜は、エストロゲンの主要成分の一つ「エストラジオール」によって厚くなります。
「子宮内膜が厚くならない」という方は、エストラジオールの血中濃度が低いのかもしれません。
その場合、子宮内膜が厚くならない原因としては、エストラジオールを生み出す卵巣か、卵巣からエストラジオールを運ぶ血管の問題が考えられるため、卵巣周りが治療のファーストチョイスとなります。

子宮内膜を厚くする血流改善

一方、エストラジオールの値を測った結果は十分なのに、子宮内膜が厚くならない人もいます。
その場合は、子宮まわりの血流が悪いか、子宮のホルモン受容体に問題があるかもしれないと考え、子宮周りを治療の選択肢とします。

子宮の血流が悪いと判断する代表的な状態は、生理の時に経血がドロドロしていたり、塊が出るという状態です。
血流が悪いと、冷えで子宮内の温度が上がらず、経血が溶けきれないまま固まって出てきます。
子宮筋腫や子宮内ポリープなどを原因とする血流障害が、その代表例です。
血流が悪い図
血流が悪い原因としてはこの他にも、骨盤内全体の血流障害などがありますし、以前行った手術の癒着や、子宮内膜症という可能性もあります。
また、姿勢が悪いことや長時間のデスクワークなどによる血流障害も原因となる可能性があります。
さらに、自律神経の乱れによる血流障害も考えられます。
もし自律神経性が疑われる場合は、手足の発汗やめまい、のどの違和感など、他の症状がないかを調べていきます。

その結果から示される可能性をもとに、どのような自然治癒力の阻害要因をなくせばよいかを考えて鍼灸治療を進めるのです。
すると、「生理の状態が改善された」「子宮内膜が厚くなった」など、効果を示す報告があります。

不妊症にはさまざまな原因があり、患者様それぞれの状態や必要な治療期間には個人差があります。
そのため一概には言えませんが、きちんとした推察ができて正しく治療が行われれば、不妊の改善は見込めます。

不妊鍼灸治療の進め方を知ろう

治療の流れ
①カウンセリング
不妊治療に鍼灸をファーストチョイスとして来院される方は少数です。
不妊治療は治療歴や夫婦のお考えなど、さまざまなシチュエーションがあり、状況に応じた治療を決めるため、カウンセリングで話をうかがうことから始めます。

患者様には、まず東洋医学的アプローチの説明を行い、鍼を臓器まで刺すことはないなど、誤解を解くことから始めることもあります。
実際、そのあたりの誤解がある方でも「勇気をもって受けに来ました」というケースもありました。
「臓腑経絡(ぞうふけいらく)」という、西洋医学とは異なる理論や体表観察による身体へのアプローチは、明治以降の日本では教育されていないため、誤解は仕方ないと思っています。

②不妊の原因を把握
次に、患者様が持つ、なるべく多くの情報を確認します。
病院で適切な検査を受けて、不妊の原因がすでに特定している方や、検査結果からみても原因不明の方などの情報を確かめ、
身体にどのようにアプローチすれば、少しでも早く妊娠できる体作りになるかを考えます。

当院では、まず患者様の現在の不妊の原因を把握し、ここを治せば妊娠率が上がるという確率の高いものから治療対象とします。
患者様が質の高い情報をお持ちであれば、カウンセリングで原因がほとんどわかりますので、治療方針を立てられる場合が多いです。

③体表観察で治療方針を確認
体表観察を行い、治療方針に間違いがないかを確認していきます。
手の脈、お腹の表面、舌、背中を特に重点的に診て、治療方針の確認をします。

④鍼治療
治療は、身体のツボに必要な深さで鍼を刺入していきます。
臓器に刺すわけではありませんので、数ミリ程度の刺入がほとんどです。
気の巡りが滞っている場所や、気が不足している場所などを、臓腑学・経絡学という東洋医学の理論で観察し、気を散らしたり集めたりするのです。

不妊治療は主に四肢と腹部背部のツボを使いますが、患者様の不妊の原因が脳の指令系統にある場合などは、頭や首、胸なども治療点になります。
そのように全身をまとう経絡の動きを観察して治療しますので、全身が治療点になり得ます。

治療を受ける際の注意点

チェックポイント

病院の検査結果を持っていく

病院で得られるさまざまな検査結果は、鍼灸治療方針を立てる際にも役立ちます。
検査結果をお持ちであれば、鍼灸院への来院時にぜひ持参していただきたく思います。

自費診療でも医療費控除制度は適用

治療費については、多くの鍼灸院は自費診療制です。
健康保険の使える疾患はいくつかありますが、不妊治療は入っていないからです。
しかし、鍼灸治療は医療費控除制度が適用となります。
これは1年間の世帯医療費が一定額を超えたとき、確定申告をすれば税金の負担が軽くなるというものです。

健康保険の取り扱いについて、詳しくはこちらをご覧ください。
→公益社団法人 日本鍼灸師会HP http://www.harikyu.or.jp/general/insurance.html
ちなみに私も公益社団法人日本鍼灸師会の会員で元支部の役員をしておりました。

失敗しない鍼灸院の選び方

鍼灸院の選び方

おすすめしない鍼灸院

一般的な話になりますが、不衛生な鍼灸院はやめた方がいいと思います。
また、患者様にとって必要な治療を提供してくれる病院の情報を持っていないところもやめた方がいいでしょう。

一方、年配者の鍼灸師が経験豊かな大先生とは限りません。
鍼灸師になるには専門学校に3年通い、国家資格に合格しないとなれませんが、定年退職後に国家資格をとる人も多いからです。
治療はセンス、直感、いい手と知識を持っていれば若くても関係ありません。

おすすめしたい鍼灸院

不妊症治療では、鍼灸治療の技術だけでなく、婦人科の診断を生かしたアドバイスの力も重要で、妊娠成功率と関係が深いです。
まずは鍼灸院の先生に、不妊治療で使われる用語や、血液検査の数値を提示し、話してみるのがおすすめです。

納得のいく答えが返ってくる先生で、改善策を一緒に考えてくれる先生がいいですね。
ここらあたりが鍼灸クリニックや鍼灸専門院など、鍼灸院を選ぶ基準になると思います。

最後に伝えたいこと

弱った木を見つけて修復するのが西洋医学だとすれば、森自体を生命力に溢れた空間にするのが東洋医学です。
森を育てるという気持ちで東洋医学とつき合っていただければと思います。

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